映画『青くて痛くて脆い』評価・ネタバレ感想! ゆっくりと堕ちていく繊細すぎる吉沢亮

    『君の膵臓を食べたい』を実は観たことがないのだが、この『青くて痛くて脆い』はあらすじを聞いて「観なくては!」と思った。『キミスイ』はまあよくは知らないけど病気とかラブストーリーとか高校生とかの話でしょ、という固定観念があってどうも観る気が起きなかった。衝撃的なタイトルの真相とは!、みたいな宣

映画『事故物件 怖い間取り』評価・ネタバレ感想! 新たなトンチキホラー見参

    この映画が上映する前の予告で、「事故物件 怖いカレシ」というものがあった。クロちゃん演じる地雷カレシが相手の誕生日プレゼントにリボンで包んだ自分を送ったり、一緒にホラー映画に行くとビビッてやけにうるさかったりという、最早ホラー映画にとっては付き物のティーン呼び寄せウケ狙い予告である。恐怖と笑

映画『2分の1の魔法』評価・ネタバレ感想! 魔法が淘汰された世界で描かれる兄弟の絆

  3月公開予定だったはずが、コロナウイルスの影響を受けて夏休み公開になってしまったピクサー最新作『2分の1の魔法』がようやく公開。期待していた1作なのでこの5ヶ月が本当に長かった。劇場に座り爆音で聴く全力少年にもいい加減飽き飽きしていたところ。   『モンスターズ・ユニバーシティ』のダン・スキャン

映画『ミッドサマー』評価・ネタバレ感想! 少女が失恋を乗り越える最悪の物語

  『ヘレディタリー 継承』のアリ・アスター監督最新作、『ミッドサマー』が遂に公開。あらすじを説明するのも難しいし「とにかく観てくれ!」というタイプの作品なので、一番いい宣伝文句が「ヘレディタリーの監督の最新作」という形に落ち着いてしまう。早速観てきたのだが、もうそれはそれは恐ろしいというか。アリ・

映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』評価・ネタバレ感想! 完璧な完結編でした

  『デジモンアドベンチャー』の最新作が公開と聞いた時、私は不安を通り越して怒りを感じていた。デジモン世代ど真ん中の私にとって、2015年から始まった全6章の『デジモンアドベンチャー tri.』の出来は本当に苦しく、もう二度とデジモンを観られなくなってもいいと思わせたほどだった。続編でトーンがガラッ

映画『シグナル100』評価・ネタバレ感想! どう考えてもシグナル20くらいでよかった

1000年に1人の美少女という二つ名も聞かなくなって久しい昨今だが、ようやく橋本環奈が主演を務める映画が公開した。その名も『シグナル100』。原作はヤングアニマルにて連載された人気コミック。担任教師によって、特定の行動をとると自殺してしまう催眠にかかった生徒達の惨劇を描いた作品である。   原作者の

映画『1917 命をかけた伝令』評価・ネタバレ感想! ワンカットの説得力に呑まれる

  『007 スカイフォール』などのサム・メンデス監督の新作はイギリスの実話を元にした戦争もの。前線部隊に作戦中止の命令を届けるために奔走する伝令係2人のバディムービーだ。特筆すべきは「全編ワンカット」であること。しかし、宣伝ではワンカットワンカットと謳っているが、実際にはそう見せているだけの擬似的

映画『犬鳴村』評価・ネタバレ感想! 中途半端な犬推しが全てをダメにした

はじめに 『呪怨』で有名な清水崇監督の最新作、『犬鳴村』を観てきた。原作無しのオリジナル映画ではあるが、有名な都市伝説を題材にしているとのこと。事前知識を全く入れたくない派なので終わった後にネットで検索をかけてみたら、Wikipediaに「全て事実ではない」と書かれていて笑ってしまった。都市伝説の内

ホラー映画『シライサン』評価・ネタバレ感想! 乙一によるJホラーの再構築

  日本のホラー映画と聞いて、『リング』や『呪怨』を想起する人は圧倒的に多いと思う。『テケテケ』とか『着信アリ』とか『ノロイ』とか、有名作や話題作はたくさんあるけれど、それでも日本のホラー映画は貞子と伽椰子の呪いから未だに解き放たれないでいる。この2作が傑作であることは揺るがないが、それでも現代的な

映画『カイジ ファイナルゲーム』評価・ネタバレ感想! 藤原竜也との再会にそぐわない退屈なゲーム

  実写版カイジが9年ぶりに完結編として復活。原作者の福本先生が考案したゲームをもとに、映画オリジナルの物語が描かれる。「藤原竜也が出演する実写化映画は傑作」とまで言われてしまうほど、漫画の実写化映画の金字塔となったカイジシリーズ。令和の時代に再臨した彼は相変わらずのクズ&天才ギャンブラーだった。我