映画『パラサイト 半地下の家族』評価・ネタバレ感想! ギャグによって巧妙に観客に寄生していくパラサイト映画

この記事は内容のネタバレ・結末に触れています。未見の方は注意してください。   ポン・ジュノ監督の名前と評判は知っていたのだけれど、恥ずかしながら過去作は1度も観たことがなく…。最新作が公開されると知り、敢えて過去作を観ずに先行公開に飛び込んだところ、これが大当たり。むしろこれまで監督の映画に触れて

映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』評価・ネタバレ感想! A組の活躍に湧き、ラストに絶望する

    大人気漫画『僕のヒーローアカデミア』が2度目の映画化。前作は、デクとオールマイトの共闘という原作では不可能となってしまった展開で観客の度肝を抜いたものの、お話としてはごくごく普通のジャンプ原作アニメの映画化といった感じで、正直そこまでの興奮はなかった。元々ヒロアカにぞっこんという程のめり込ん

映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』評価・ネタバレ感想! 邦画最高峰のアクション映画!

    2019年もいろいろありました。新元号が発表され、平成が終わり令和が始まる。その変化により、「平成ライダー」の歴史に幕が下りるのも必然のこと。8月に平成ライダーは終わりを迎え、9月1日から令和ライダー第1作目『仮面ライダーゼロワン』がスタートした。と言っても毎年仮面ライダーを観ているこちらか

悪いスーパーマンという設定だけは満点のグロ映画 映画『ブライトバーン/恐怖の拡散者』評価・ネタバレ感想!

2000年にX-MENの映画が公開され、その後『スパイダーマン』、『ダークナイト』によってヒーロー映画はどんどん重苦しくされていった。その暗雲を吹き飛ばすかのように出現したMCU第1作『アイアンマン』は見事な成功を収め、計画通りにヒーローを集結させた『アベンジャーズ』が大ヒット。今年公開された『アベ

純度120%! 驚異の実写化! 映画『地獄少女』評価・ネタバレ感想!

  大人気アニメ(漫画)の『地獄少女』が実写映画化と聞いた時は歓喜と不安でいっぱいだった。そして、監督が白石晃士監督だと聞いた時、不安は一気に消え去りただ公開日を待つ日々が始まった。小学生時代に原作を観ていた私だったが、2期以降は全く観ていなかった。そのため、映画に間に合うよう取り急ぎAmazonビ

設定は爆死だがアクションは一流 映画『ターミネーター ニュー・フェイト』評価・ネタバレ感想!

「『ターミネーター2』の本当の続編」と謳われた本作。2003年の『ターミネーター3』、2015年の『ターミネーター:新起動/ジェニシス』に続く、3作目の『ターミネーター2』の続編である。つまりターミネーターシリーズは3作目を境目に3つに分岐しているのだ。非常に紛らわしい。それというのも興行収入の不調

母の殺人に人生を蝕まれた子どもたちの物語 映画『ひとよ』評価・ネタバレ感想!

    愛する子どもたちを守るため、DV夫を殺害した母親が15年ぶりに帰ってくる。しかし、その「一夜」の出来事は決して「父親の暴力からの解放」だけを意味するものではなかった。人殺しの子どもというレッテルを貼られて生きてきた3人は、帰還した母親とどう向き合うのか。 白石和彌監督らしい、息の詰まるような

世界観の練り上げに思わず感服! 映画『パペット大騒査線 追憶の紫影』評価・ネタバレ感想!

  パペットとは指人形を指す言葉で、操り人形と指人形を兼ね合わせたものはマペット(マリオネット+パペット)と言うらしい。つまりパペットマペットには意味合いとして、指人形が2回と操り人形が1回入っていることになる。しかも実際にはウシくんとカエルくんを手に装着しているだけなのでパペットでしかない。令和に

映画『殺人鬼を飼う女』評価・ネタバレ感想! 純文学的なエロスが漂う微ホラー作品

  大石圭の同名小説を、『リング』などで有名な中田秀夫監督が映像化。大石圭は『呪怨』のノベライズ版も執筆しており、奇しくも日本が誇る二大ホラー作品に携わった2人のコラボということになる。ただ、中田秀夫監督の作品は『リング』こそ社会現象を巻き起こしたものの、その後は鳴かず飛ばずの出来。山田孝之と藤原竜

襲い来る動物たちのリアリティに戦慄! 映画『アニマル・パージ』評価・ネタバレ感想!

      2019年8月末、多摩動物公園にて、飼育員がサイに襲われて死亡したという事故があった。動物園の動物は人々にとって親しみやすい存在であるし、動物園側も動物について知識を深めてほしいという意識がある。その反動もあり、この事故はショッキングな事件として話題になった。檻や柵越しに観察するせいでキ