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容姿を笑われた男の報復劇 映画『ラバーボーイ』評価・ネタバレ感想!

ジェイソンやレザーフェイスなど、海外のホラー映画には特徴的なマスクを被った殺人鬼が数多く登場する。本作に登場する殺人鬼も、例のごとくマスクを被り、次々と女性を殺害していく。パッケージにドンと配置されているマスクは出てこないので注意。しかし、本編で被っているマスクの絶妙な無表情の方が恐怖を掻き立てるかもしれない。基本的にはチープなホラー・スラッシャー系映画なのだが、これがなかなか面白い。ポルノサイトで私生活の全てを監視されている女性たちが、ある男の怒りを買ったことで殺されていくというなかなか現代的なストーリー。 原題は『GIRL HOUSE』で、無論主人公の女性カイリー達が暮らすポルノサイト運営…

永遠に救われない男の最後の選択とは… 映画『復讐の十字架』評価・ネタバレ感想!

『復讐の十字架』というかなり抽象的でパッとしない邦題だが、映画を観るとこの重苦しさが腑に落ちる。『ロード・オブ・ザ・リング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』で有名なオーランド・ブルームを主演に据え、彼の端正な顔立ちと演技力を凝縮したような1作。ジャケットではオーランド・ブルームが巨大な十字架を担いでいるが、因縁の相手と戦うための武器ではない。あくまで比喩である。 キリスト教において十字架とはキリストへの敬意を示すものであり、最も重要な宗教的象徴。この映画の主役、オーランド・ブルーム演じるマルキーは解体作業員として町の教会を取り壊している。それだけでなく、この映画においてキリスト教は非常に強い…

一体どこがワイルドなのか。映画『ワイルド・レース』評価・ネタバレ感想!

ワイルド(wild)とは、英語で野生・野蛮・乱暴などの意味を持つ言葉であるが、日本では全身をデニムでコーディネートした1人の芸人によって、半ば揶揄するような意味合いも含まれてしまった。しかし、アクション映画を頻繁に鑑賞する人にとっては、更にもう一つの意味を持つ言葉である。そう、我々にとってワイルドから車やレースを連想するのは非常に容易い作業なのだ。それもこれも、『ワイルド・スピード』シリーズのおかげである。 犯罪者集団のボスとそこに潜入したFBI捜査官がカーレースを通じて交流を深めるうちにいつしか無二の親友になっていく…という1作目からアクションがどんどん飛躍して直近のスピンオフではサイボーグ…

コメディというにはあまりにもチープでつまらない 映画『引っ越し大名!』評価・ネタバレ感想!

突如国替えを命じられた姫路藩は、書庫にこもって本を読んでばかりいる片桐春之介を引越奉行に任命。無理難題を押し付けられた彼が仲間の助けを得て奮闘するというコメディ映画。あらすじだけ聞くとどうしても『超高速! 参勤交代』を連想してしまうのだが、調べてみるとなんと原作者が同じらしい。それはそれで心配になるが、私は『超高速!』を観ていないので、内容がカブっていたところで気にせず鑑賞することができた。時代劇もあまり観ないし、歴史にも疎い。未知のジャンルでもあるため、ある程度は楽しく観られるだろうと期待していたのだが、結果はかなり退屈。コメディなのにスピード感が全然足りず、スベりそうになるとガヤの笑い声で…

映画『この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説』評価・ネタバレ感想! いつもと変わらぬ『このすば』

RPGを題材にした転生異世界ファンタジーものが横行するラノベ・アニメ業界で、他の作品とは明らかに異なるアプローチで見事大成功を収めた『この素晴らしい世界に祝福を!』(通称:このすば)。ファンタジーや転生ものの王道を逆手に取り、個性豊かなズレた面々が激しく調子に乗ることでトラブルを巻き起こす。昭和のコント番組のようなコテコテ感がクセになる、異世界コメディという稀有なジャンルなのである。トラックに轢かれそうになった女の子を救って命を落としたかと思いきや実は救う必要はなかった上に自身はトラクターに轢かれて死んだカズマ。異世界への転生にあたり、何か一つを持っていけると説明された彼は、速攻で女神のアクア…

日本のドラマも捨てたもんじゃない! 映画『劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD』評価・ネタバレ感想!

社会現象にまでなったのでタイトルだけは知っていたのだが、私が観始めたのはつい先週の話。映画があまりにも話題になっているので、ミーハー気質が疼いた結果ドラマ版を観てこの波に乗ってみようと軽い気持ちで鑑賞すると全く止まらなくなってしまい、たった2日で全7話を終わらせてしまった。あそこまで話題になった作品なら万人ウケを狙ったものだろうとたかを括っていたのだが、これがまあ見事なエンターテイメントで、申し訳ない気持ちでいっぱいである。ラブコメのお約束を男同士で繰り広げるコメディパートと、春田・部長・牧の三角関係を丁寧に描いたシリアスパートの配分が完璧で「おっさんに告白されちゃった〜」というギャグもここま…

究極のお祭り映画! 映画『ワンピース スタンピード』評価・ネタバレ感想!

平成が終わり令和元年を迎えた2019年、『ONE PIECE』のアニメにとっても20周年という節目の年になった。マンガの連載が始まったのが1997年。テレビアニメは1999年の10月から放送を開始している。劇場公開の映画としては14作目で、「ONE PIECE FILM」シリーズとしては4作目。今回は海賊万博を題材にしており、麦わらの一味だけでなく様々なキャラクターが入り乱れて強敵・バレットと戦う物語。バレットはゴールド・ロジャーの船の船員であり、当時の大将センゴクがバスターコールによってようやくインペルダウンへ送ることのできた恐ろしい力の持ち主。物語の根幹にも深く関わる強敵を前に予想外のメン…

記憶喪失の男は本当に強盗犯だったのだろうか? 映画『バックトレース』評価・ネタバレ感想!

シルベスター・スタローンの新作は記憶を失った強盗が脱獄し、真実を追う物語。宣伝ではやけにスタローンがプッシュされているが、実際にはあまり出番はなく、だが逆にそのくらいがカッコいいという絶妙に美味しい立ち位置になっている。スタローンなしでも、100分足らずでテンポよく明かされる強盗事件の真相が心地いい快作だ。 以下ネタバレ込みであらすじを。 7年前、2000万ドルが奪われる強盗事件の唯一の生き残りとして逮捕されたマクドナルド。彼は撃たれたことにより記憶を失っており、その他に関わった人物はみな絶命しているため、事件の真相を知る者はおらず、金の行方すらも誰にも分からなかった。そんな彼の元に、刑期満了…

愛する彼が殺人鬼だった系映画『ドント・リサーチ 恐るべき素顔』評価・ネタバレ感想!

『ドント・ブリーズ』以降乱立する「~してはいけない系映画」の最新作。と言っても邦題がにドントがついているだけで、『ドント・ブリーズ』とはもちろん何の関係もないし、ホラーというよりサスペンス色が強い作品でもある。今回は「調べてはいけない」という設定だが、これを「ドント・リサーチ」と言ってしまえるなら世の中に『ドント・リサーチ』が大量発生することになるぞというくらい物語に新鮮味はない。設定やテンポよりも芸術性を重視したスペイン映画で、BGMもなく明るみに出てくる真実に背筋が凍るタイプの映画だ。 ドント・ブリーズ (字幕版) 発売日: 2017/03/22 メディア: Prime Video この商…

エナジードリンクで人々が凶暴化! 映画『Z Bull ゼット・ブル』評価・ネタバレ感想!

特殊なエナジードリンク「ゾルト」を飲んだ社員たちが次々と凶暴化し、殺し合いが始まるという物語に「Z Bull」という見事な邦題がついた怪作。ちなみに原題は『OFFICE UPRISING』で、エナジードリンクについては触れられていないし、そもそもゾンビ映画でもない。凶暴化した人々は怒りを増幅させられたような描写にとどまり、意識を失うでもなくただ理性が欠けてしまうのだ。そんな邦題がついていることからも分かるように、この映画は超がつくほどのB級バカ映画。社員全員が凶暴化した会社に閉じ込められるというパニックが軽快なテンポで描かれており、いろんな意味で爽快感がある。 本作の目玉となるのがやはりエナジ…