『ウルトラマンタイガ』前半(第1話~第13話)評価・感想 ウルトラマンが3人いる必要性を感じたい

既に第14話放送後なのだが、1クールを終え一区切りついたところで『ウルトラマンタイガ』前半(第1話~第13話)の感想をまとめようと思う。令和初のウルトラマンで、あのウルトラマンタロウの息子が主人公。その上タイガの他にタイタスとフーマ、合計3人のウルトラマンが主人公のヒロユキに憑依するという斬新な設定が話題を呼んだが、果たしてその試みはどうだっただろうか。 1話の冒頭からニュージェネレーションとトライスクワッドの面々がウルトラマントレギアに倒されてしまうという衝撃の展開。トレギアは『劇場版ウルトラマンルーブ』にも登場していたが、その時はロッソ・ブル・グリージョが合体したウルトラマングルーブの踏み…

本を馬を犬を駆使して生きようと藻掻く男の生き様 映画『ジョン・ウィック:パラベラム』評価・ネタバレ感想!

失礼な話ではあるが、人が必死になって生きようとする姿がどこか滑稽に見えることがある。この『ジョン・ウィック:パラベラム』にはそういう瞬間が何度も訪れる。思い返せば、1作目の時点で愛犬を殺された男の復讐劇と宣伝され、なんだそれと可笑しくなってしまった記憶がある。実際には最愛の妻を病気で亡くした失意の男が、妻からの最後の贈り物である愛犬を殺されたという背景があるのだが、確かに「犬を殺された男の復讐」も間違っていないのが面白い。しかし、そんなふざけたスタートから繰り出される物語は非常に重苦しい。妻を失い、犬を殺され、車を奪われた元最強の暗殺者が本気を出して殺しに向かってくる。当時話題にもなった『ドン…

轟と村山の活躍に大感動! 映画『HiGH&LOW THE WORST』評価・ネタバレ感想!

完結したはずの『HiGH&LOW』シリーズの新作はまさかまさかの人気漫画『WORST』とのコラボ作品だった。発表された当初、私を含めたファンはかなり驚いたものである。始まりはEXILE HIROのプロデュースによるEXILE TRIBEファンのための作品だったはずが、豪華なキャスト陣と、彼らが繰り広げる常軌を逸したアクション、複数のキャラクターが入り乱れる壮大な物語が幅広い層から支持を得て、ハイローという一ジャンルを築いた。かく言う私もハイローを観るまではEXILE系のアーティストなど全く見向きもしなかった人間である。それが今ではドラマやバラエティで見かける度にコブラだヤマトだと大はしゃぎして…

ウルトラマンタイガ 第11話~第13話 ざっくり感想

放っておいたら3話分も話が進んでしまったので第11話~第13話までの感想をまとめて。 これまでの感想はこちらから。 www.meerkatinspace.com 『ウルトラマンタイガ』第11話・第12話は、小林弘利脚本と辻本監督による前後編。パゴスとギマイラ、懐かしの怪獣が大暴れする1クール目のクライマックス。タイガが始まってもうそんなに経つのかと思うと感慨深い。「次の主役はタロウの息子」と報道されたのがつい昨日のことのように感じる。 1クール目クライマックスというと、近年では物語に一区切りつくこともあり、印象的な回が多い。『オーブ』はマガオロチ回、『ジード』はペダニウムゼットン回、『ルーブ』…

前作との差別化はバッチリ 映画『ヘルボーイ』評価・ネタバレ感想!

1994年にアメリカのダークホースコミックスから刊行されたマイク・ミニョーラの作品、『ヘルボーイ』はこれまでに2度映画化されている。1作目は2004年の『ヘルボーイ』。後に『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞を受賞することになるギレルモ・デル・トロが監督を務め、その独創的なデザインや演出、そしてコミックらしいアクションと繊細なラブストーリーが評判となり、大ヒット。2008年に2作目の『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』が公開された。こちらも1作目の正統続編とあってアクションやCGのクオリティも高まり非常に面白い1作。1作目で完結したと思われたヘルボーイと恋人リズの仲が再び描かれる。思え…

原作を実写で追体験! 実写化映画『惡の華』評価・ネタバレ感想!

世の中には2種類の人間がいる。漫画『惡の華』を読んで気持ち悪いと一蹴する人と、嗚咽を漏らして泣き崩れる人である。私は後者の人間で、映画を観るにあたりもう何度目か分からないほど読んだ原作を改めて開いたところ、またも涙を流してしまった。思春期の鬱屈した感情と、自分が空っぽだと気付いてしまう無力感。共感できる人がいるのと同時に嘲笑ってしまう人がいるのも無理はない作品である。私自身、原作をリアルタイムで楽しんでいた高校時代は周りの人間がバカに見えて仕方がなかった。リアル春日(中学生編)である。しかし、社会人になって読んだ原作はまるで別物だった。春日が大人の階段を上っていくステップが自分と重なり、高校生…

ジュブナイルSFの新たな傑作 映画『HELLO WORLD』評価・ネタバレ感想!

伊藤智彦監督のことも野崎まどのこともほぼ知らず、そもそもアニメ映画自体あまり観ないのだが、予告の雰囲気でなんだか面白そうだなあと思い鑑賞した本作。メインキャラに声を当てているのは北村匠海、浜辺美波、松坂桃李の人気俳優3人で、挿入歌に若者に人気なofficial髭男dism、エンディングはOKAMOTO'Sというアニメファン以外の層にもアプローチをかけた作品で、私の隣に座っていた女性は挿入歌の時に首を振ってリズムをとっていたため、アーティストのファンや俳優のファンにとっても見逃せない作品だったのだろう。物語の構造や設定も10年後の自分が主人公の前に現れて…という至ってシンプルなものと思わせて、実…

怖いというよりビックリ系 映画『アナベル 死霊博物館』評価・ネタバレ感想!

実在する霊媒師、ウォーレン夫妻の活躍を描いた『死霊館』から発展し、人間と悪魔・悪霊との戦いを描きつつ家族の尊さを訴えかけ続ける死霊館シリーズ最新作は、スピンオフとして制作されたアナベルシリーズの3作目。本家死霊館がまだ2作しか公開されていないため、スピンオフの方が本家より多くなってしまった。しかし、アナベル人形は『死霊館』から出続けていて夫妻にとっては宿敵と言ってもいいほどの存在なので、ある意味本家とも捉えられるかもしれない。『死霊館』では夫妻の娘を恐怖に陥れ、のち2作の単独映画で自身の目的のためにあらゆる人々を巻き込んできたことが発覚するアナベル人形。容姿だけで既に十分恐ろしいが、その実力も…

『仮面ライダーゼロワン』 第2話「AIなアイツは敵?味方?」評価・感想

第1話の感想はこちら www.meerkatinspace.com 『仮面ライダーゼロワン』も第2話に突入。先週はまだ『ジオウ』最終回を引きずっての鑑賞だったが、2話にもなると新ライダーにぞっこんになるのも毎年の恒例である。第1話と同じ布陣が描くパイロット版後半戦は、不破諌が変身する仮面ライダーバルカンのお披露目回であり、彼と或人=ゼロワンとの思想の対立をきっちり演出する見事な回だった。 冒頭でいきなりA.I.M.S.の二人が飛電インテリジェンスへ乗り込んでくる。思った以上にスピーディーな展開だが、A.I.M.S.が飛電に目をつけていることを印象付ける。そこから戦闘に突入し、不破諌の出自や思想…

ウルトラマンタイガ ざっくり感想 第10話

武居監督&柳井脚本の第10話は久々のヒロユキ主役回。ヒロユキが昔から仲良くしていた小田という男が実は好戦的なナックル星人だったという物語。小田を演じるのはナイトレイダーの隊長でお馴染み石橋保。さすがはベテラン、ゲストキャラクターながらウルトラマンに誇りを奪われ地球人に紛れて暮らす悲哀を見事に演じ切っていた。ファンの方なら、彼の語った過去が『帰ってきたウルトラマン』第38話・第39話の出来事もしくはそれに近いものであったと推測できるだろう。『ウルトラマンタイガ』はウルトラ6兄弟とは別の世界線であるため、『帰マン』との関連性を深く考察する必要はないかもしれない。ただ、当時のナックル星人の蛮行から考…