
本を馬を犬を駆使して生きようと藻掻く男の生き様 映画『ジョン・ウィック:パラベラム』評価・ネタバレ感想!
失礼な話ではあるが、人が必死になって生きようとする姿がどこか滑稽に見えることがある。この『ジョン・ウィック:パラベラム』にはそういう瞬間が何度も訪れる。思い返せば、1作目の時点で愛犬を殺された男の復讐劇と宣伝され、なんだそれと可笑しくなってしまった記憶がある。実際には最愛の妻を病気で亡くした失意の男が、妻からの最後の贈り物である愛犬を殺されたという背景があるのだが、確かに「犬を殺された男の復讐」も間違っていないのが面白い。しかし、そんなふざけたスタートから繰り出される物語は非常に重苦しい。妻を失い、犬を殺され、車を奪われた元最強の暗殺者が本気を出して殺しに向かってくる。当時話題にもなった『ドン…