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映画『ザ・ファブル』評価・ネタバレ感想! 岡田くんを殺し屋にしておきながら微妙

凄腕の殺し屋”ファブル”が、一年間だけ身元を偽って普通に暮らす。「舐めてた相手が実は〇〇だった」系の話は近年ハリウッド映画でもよく見られるが、『ザ・ファブル』はそれを連載漫画として更に一段階推し進めた作品だ。主人公・佐藤の殺し屋としての技能は圧倒的で、彼が関われば事件はたちまち解決してしまう。しかし、”普通に暮らす”という任務があるため、基本は自分の身元を偽る。それでも殺し屋として過ごしてきたせいで、どこか感性が人とずれている。そのちぐはぐさが妙なユルさを醸し出しており、なんというか、非常に味のある漫画なのだ。 そんな大人気漫画『ザ・ファブル』が遂に実写化。比較的リアルに寄り添った設定のためか…

映画『パージ:エクスペリメント』評価・ネタバレ感想! シリーズ史上最高! ひたすらに暴力の嵐

犯罪抑止のため、年に1度、夜12時間だけ殺人を含む全ての犯罪が合法化される”パージ法”が制定されたアメリカを描き、大ヒットしたパージシリーズ。映画だけでなくテレビドラマにもなっており、本作『パージ:エクスペリメント』は映画1作目の更に前、パージ法制定の日に迫る内容になっている。パージの目的が犯罪抑止ではなく、低所得者を殺害する口減らしにあることは過去の映画でも指摘されてきた。パージシリーズはその滅茶苦茶な設定とは裏腹に、しっかりとした社会問題への警鐘を孕んだクレバーな作品なのである。 しかし私見としてはその頭の良さが逆に足枷になってしまっていたというか。正直設定から感じる殺伐さよりも内容の小難…

Netflix映画『リム・オブ・ザ・ワールド』評価・ネタバレ感想! 少年少女が世界を救うための冒険に出る!

「4人の少年少女が世界を救う」と聞いて、個人的には『スタンド・バイ・ミー』のような冒険譚をイメージしていたのだが、実際にはもっとスリルに溢れ、常に死を意識させてくるパニックアドベンチャーものだった。どちらかというと、『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』に似た物語。あの映画の登場人物が全員モロ子ども(『ジュマンジ』でも外見が大人なだけで中身は子ども)といった内容だった。突如異星人が襲来し、キャンプ場で出会った4人の少年少女は、宇宙飛行士から世界を救う鍵を渡される。世界の命運は彼らに託された。 それぞれトラウマや悩みを抱えた4人が、仲間と共に冒険へ出かけ、時に衝突しながらも世界を救うために…

Netflix映画『アイ・アム・マザー』評価・ネタバレ感想・解説! 皆、この映画の真相に気づいてくれ~~~~

先日配信されたNetflix映画『アイ・アム・マザー』。率直な感想としては「やられた~~~~~~」というか「そっちかああああああああ」というか、とにかく事前情報やイメージからは想像のつかない方向性の映画で、硬派なSFに見えてある程度知識が必要になるタイプの作品。これ完全に大好物のやつや…と気づいたのは本当に終盤。全ての仕掛けに気づいた時、アイアムマザーというタイトルの意味すらも違って見えてくるという、まあ巧妙な映画だった。これをアンドロイドと人間の交流を描いたSFと捉えてしまうとかなり味気ない作品に思えてしまいそうだけど、実際はそうじゃないんだ! 裏側で物凄いストーリーが練られている作品なんだ…

『パージ:大統領令』ざっくりとネタバレ感想! もっと馬鹿げた映画が観たかった…

年に一度だけ犯罪が合法化されるという斬新な設定で話題のパージシリーズの3作目は、いよいよ大統領候補まで巻き込んだ。パージ賛成派と反パージ派の争いは1作目からうっすらと描写されていたが、今回戦いの舞台は政治の世界にまで及んだ。2作目の『パージ:アナーキー』は、1作目よりもスケールを大きくしシリーズの世界観を拡張したが、本作『パージ:大統領令』は、シリーズの完結編。「殺さないことこそ美徳」というテーマを掲げ続けたこの作品は、一体どのような結末を迎えるのか。非常に楽しみにしていたのだが、何故だかこのシリーズは芸術的・宗教的なモチーフが好きなようで、どうにもフラストレーションの溜まる映画になってしまっ…

Netflix映画『サバハ』評価・ネタバレ感想! 「信仰心」や「願い」を主軸に紡がれるリアリティに富んだ傑作ミステリー!

映画ファンには大きく分けて洋画派と邦画派の2種類がいるが、洋画にも邦画にも当てはまらない作品は当然のことながら数多く存在する。インド映画=すぐ踊る、というイメージも一般的に定着している時代だ。今回鑑賞したのは、お隣の韓国からやってきたホラー風ミステリー映画『サバハ』。キリスト教と仏教の概念を盛り込みながら、予測不能な結末へと着地する見事な映画だった。確かに演出がホラーがかっているシーンもあるにはあるが、特に観てる人を怖がらせようという意図までは感じない。この映画にあるのは表面的な恐怖ではなく、信仰心という人間にとって欠かせない感情なのだと思う。 ちなみに、タイトルの「サバハ」は、サンスクリット…

MCU フェーズ3までの全22作品興行収入ランキング! 日本と世界での違いを徹底解説!

『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開され、『アイアンマン』から始まり10年以上にわたって紡がれてきた壮大な物語にようやく一区切りがついた。映画の総数は22作。単体作品の節目でクロスオーバーのアベンジャーズを公開し、アメコミファンだけでなく普段映画を観ない層をも巻き込んでいった。しかし、それでも各ヒーローの知名度にはムラがあるようで、「MCUの主役はアイアンマン」というイメージが一般的に広まっていることも否めない。確かにエンドゲームまでの流れにおいてトニー・スタークが重要なキーマンであることは否定しない。しかし、それぞれのキャラクターの単体作品を積み重ねていき、時折クロスオーバーさせるこのシリ…

映画『パージ』ネタバレ感想・評価! 抑圧された感情が解き放たれる恐怖

犯罪防止のため、年に1度だけ犯罪が許される12時間・パージが行われるという恐ろしい設定で現在映画3作とTVドラマまで作られている大人気シリーズ『パージ』。パージ(purge)とは、英語で一掃や粛清という意味を持つ単語だが、この映画では”浄化”という意味でも用いられている。今月には4作目にあたる『パージ・エクスペリメント』が公開されるようで、シリーズ未見だった私もこれを機に手を出してみようかとNetflixを開いた。 様々なレビューを見るに、一作目は賛否両論あったようなのだが(おそらくは人気シリーズが故に評判が独り歩きしたということもあるのだろう)、私としては大いに楽しむことができた。傑作とまで…

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ネタバレ感想! 評価など必要としない紛れもない傑作! 人類はただゴジラに平伏すのみ

待ってました、この時を! ハリウッドが遂に素晴らしいゴジラ映画を作ってくれた。もう迷いはない。我々人類はただゴジラに平伏すのみ。何もかもが完璧。小さな問題なんていうのは、街を粉々にし人々を次々殺していく怪獣たちのバトルの前では全くの無意味。ただただ素晴らしい、それだけの映画だった。 しかし、そんな陳腐な感想だけで記事を書くわけにもいかないので、しっかりとこの『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』がいかに素晴らしかったのかを文章にまとめたいと思う。 最近のゴジラシリーズ ゴジラシリーズは、映画だけでも日本で30作以上が作られ、その中にはアニメーション映画も含まれている。コミカライズや小説化をされ…

2019年映画『貞子』ネタバレ感想! 令和初のJホラー映画は怖い? つまらない? 原作『タイド』との関連なども徹底解説!

1998年に『リング』が公開され、その後清水崇監督の『呪怨』シリーズと並んで、平成に君臨するホラー映画シリーズの二大巨頭となったリングシリーズ。『リング』、『らせん』、『リング2』、『リング0』、『貞子3D』、『貞子3D2』に続く7作目の本作『貞子』は令和初の貞子映画となる。シリーズのファンとしては、5月1日に元号が令和に変更されてから初のメジャーな和製ホラー映画が、平成ホラー映画の代表作であるリングシリーズの続編であることが非常に感銘深い。 『リング』は元は鈴木光司の小説だが、原作の展開とは明らかに異なる。その辺りのことは以前書いたこちらの記事を参考にしていただきたい。 www.meerka…