原作を実写で追体験! 実写化映画『惡の華』評価・ネタバレ感想!

    世の中には2種類の人間がいる。漫画『惡の華』を読んで気持ち悪いと一蹴する人と、嗚咽を漏らして泣き崩れる人である。私は後者の人間で、映画を観るにあたりもう何度目か分からないほど読んだ原作を改めて開いたところ、またも涙を流してしまった。思春期の鬱屈した感情と、自分が空っぽだと気付いてしまう無力感

ジュブナイルSFの新たな傑作 映画『HELLO WORLD』評価・ネタバレ感想!

    伊藤智彦監督のことも野崎まどのこともほぼ知らず、そもそもアニメ映画自体あまり観ないのだが、予告の雰囲気でなんだか面白そうだなあと思い鑑賞した本作。メインキャラに声を当てているのは北村匠海、浜辺美波、松坂桃李の人気俳優3人で、挿入歌に若者に人気なofficial髭男dism、エンディングはOK

怖いというよりビックリ系 映画『アナベル 死霊博物館』評価・ネタバレ感想!

  実在する霊媒師、ウォーレン夫妻の活躍を描いた『死霊館』から発展し、人間と悪魔・悪霊との戦いを描きつつ家族の尊さを訴えかけ続ける死霊館シリーズ最新作は、スピンオフとして制作されたアナベルシリーズの3作目。本家死霊館がまだ2作しか公開されていないため、スピンオフの方が本家より多くなってしまった。しか

『仮面ライダーゼロワン』 第2話「AIなアイツは敵?味方?」評価・感想

  第1話の感想はこちら   www.meerkatinspace.com     『仮面ライダーゼロワン』も第2話に突入。先週はまだ『ジオウ』最終回を引きずっての鑑賞だったが、2話にもなると新ライダーにぞっこんになるのも毎年の恒例である。第1話と同じ布陣が描くパイロット版後半戦は、不破諌が変身する

ウルトラマンタイガ ざっくり感想 第10話

  武居監督&柳井脚本の第10話は久々のヒロユキ主役回。ヒロユキが昔から仲良くしていた小田という男が実は好戦的なナックル星人だったという物語。小田を演じるのはナイトレイダーの隊長でお馴染み石橋保。さすがはベテラン、ゲストキャラクターながらウルトラマンに誇りを奪われ地球人に紛れて暮らす悲哀を見事に演じ

実写化としてどうだったか? 映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』評価・ネタバレ感想!

  ヤングジャンプで連載中の人気漫画『かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』が遂に実写映画化である。冬にテレビアニメが放送されたばかりで、正にノリにのってると言えるだろう。しかも大人気のKing&Princeの平野紫耀と橋本環奈のW主演。その他にもティーンに人気のある若手俳優を据え

仮面ライダービルドが遂に完結! 『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』評価・ネタバレ感想!

    2017年9月から始まった『仮面ライダービルド』の物語も遂に完結だろう。戦兎がエボルトを倒すために新世界を創造した後の物語『ビルド NEW WORLD』の2作目、『仮面ライダーグリス』はタイトルの通り、西都出身の農民でドルヲタの猿渡一海=仮面ライダーグリスが主役である。私は『仮面ライダービル

容姿を笑われた男の報復劇 映画『ラバーボーイ』評価・ネタバレ感想!

  ジェイソンやレザーフェイスなど、海外のホラー映画には特徴的なマスクを被った殺人鬼が数多く登場する。本作に登場する殺人鬼も、例のごとくマスクを被り、次々と女性を殺害していく。パッケージにドンと配置されているマスクは出てこないので注意。しかし、本編で被っているマスクの絶妙な無表情の方が恐怖を掻き立て

永遠に救われない男の最後の選択とは… 映画『復讐の十字架』評価・ネタバレ感想!

  『復讐の十字架』というかなり抽象的でパッとしない邦題だが、映画を観るとこの重苦しさが腑に落ちる。『ロード・オブ・ザ・リング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』で有名なオーランド・ブルームを主演に据え、彼の端正な顔立ちと演技力を凝縮したような1作。ジャケットではオーランド・ブルームが巨大な十字架を

一体どこがワイルドなのか。映画『ワイルド・レース』評価・ネタバレ感想!

  ワイルド(wild)とは、英語で野生・野蛮・乱暴などの意味を持つ言葉であるが、日本では全身をデニムでコーディネートした1人の芸人によって、半ば揶揄するような意味合いも含まれてしまった。しかし、アクション映画を頻繁に鑑賞する人にとっては、更にもう一つの意味を持つ言葉である。そう、我々にとってワイル