ミーアキャットスペース

主に映画、ドラマ、漫画などエンタメの感想・考察をだらだら書きます。

仮面ライダーゴースト感想③ てれびくんDVD・アラン英雄伝・超MOVIE大戦ジェネシス

 

今回は番外編の4作についての感想。

 

 

一休眼魂争奪!とんち勝負!!

てれびくんの付録DVD。偉人の勉強をしていたタケル達の元に眼魔が現れ、眼魂を勝ち取るためにとんち対決を繰り広げる。とんちと言ってもほとんどがなぞなぞ。

 

徹底的に子ども向けに作られた付録DVDでのキャラ崩壊は最早平成ライダーの恒例となっているが、この作品と続く応募者全員サービスの作品はその中でも屈指の出来。一休の眼魂に関係するのが安藤なつ。常に団子を食らっており、力強く太鼓を叩いて勝負の指揮をとる。御成は何故かそんな安藤なつにゾッコンで、引かれているのも面白い。カオスが過ぎる。

 

対決前のコスプレでは、タケル殿のツタンカーメンと一休が見どころ。それにしても、御成の役者さんは演技に関して頭ひとつ抜けている。普段と違う役をやっているせいでその力強い芝居に思わず見入ってしまった。新品を手に入れるのは難しいだろうが、未見の方はぜひ観てほしい。ゴースト関連で最も面白い作品かもしれない。

 

一休入魂!めざめよ、オレのとんち力!!

こちらは続編の応募者全員サービス。前作で手に入れた一休眼魂とマコトが持っていたピタゴラス眼魂。使って眼魔を倒す物語。大天空寺に依頼しに来るのは安藤なつの妹というカツミ。演じるは『エグゼイド』のポッピーピポパポでお馴染み松田るか。エグゼイドに先駆けてライダーに出演していたのである。このDVDでもやけにクセの強いキャラクターを演じている。

 

本編のシリアスなテンションを保つことが出来なかったマコト兄ちゃんにひたすら大笑い。ピタゴラスのせいで裸で三角定規を振り回す羽目になり、一休と一球入魂をかけて何故かキャッチボールの修行をさせられる。前作に負けず劣らずカオスな展開。意味なく台詞の単語を墨で書いて出す演出などなど、石田監督のやり過ぎ感が絶妙に発揮されている。

 

眼魔は一休やピタゴラスの眼魂を狙っていたが、本編を観ていれば(正確にはもう1つの応募者全員サービスDVDを観ていれば)この2つが15の眼魂には関係ないことが分かる。眼魂とは人間の魂の結晶のようなもので、命を燃やし尽くした偉人達は死後も眼魂が残り、その中でもガンマイザーの属性と対応した15個が選ばれたという裏設定がある。この辺りまでは超全集や小説版を読んでいないと分からない。つまり、英雄眼魂が15個以外に存在することは全くおかしくないのだ。

 

アラン英雄伝 1

Blu-ray特典のアラン英雄伝。今回は第1巻に収録された1話の感想を。アランが初めてこちらの世界に来たのは1950年。そこで若き日のフミ婆に出会い、青い空と豊かな自然に感動を覚える。Blu-rayに収録されている12話までではアランが何者なのか全く分からないのだが、この外伝はかなり先を見越した展開がなされていた。眼魔の世界の住人は丸い物を崇拝している、アランには肉体がないなどの細かい設定も出てきており、たこ焼きを食べる西園寺とそれに慄くアランとジャベルという面白い構図も見ることができる。

 

また、本編と同時進行でアランと西園寺が何をしてきたかも描かれており、彼らの出会いもここで分かる。西園寺が独自に眼魔の世界にコンタクトを取ったようだ。アドニスは現地の調査に加えて西園寺を調べることも命じていたのかもしれない。ただ、ネクロムに変身するでもなく戦闘シーンもないので、本当に外伝として扱うのが良いだろう。アランや眼魔周りの設定を抑えておくにはいい教科書だった。

 

それにしても、西園寺が2005年時点で3つ眼魂を持っていたということは龍の死から10年間で2個しか増えていないということ。タケルやマコトの登場で約2ヶ月であっさりと残り10個が集まったわけだが、彼は10年間一体何をしていたのか。アランは眼魂のことを知らなかったようなので、彼が眼魂集めに積極的でなかったのは理解できるが……。

 

仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス

仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス [DVD]

2015年12月12日に公開された劇場版。毎年恒例の冬映画・MOVIE大戦だが、この年は趣向を変えてきた。前年ライダー・現行ライダー・MOVIE大戦の三幕構成を廃止し、10年前に飛ばされたドライブとゴーストが、タケルの父・天空寺龍の元に弟子入りする物語が展開されていく。タイトルに「超」と付くだけのことはある。

 

だが、蓋を開けてみればかなり問題の多い作品だった。そもそも脚本を担当した林誠人さんは初代ライダーを幼い頃に視聴したっきりで、この話を受けて急いでドライブを全話完走したらしい。高橋Pも物語を統率することができなかったのか、TVシリーズとの矛盾も多い。劇場版がパラレルワールド設定になるのはいつものことなのだが、ゴーストに関しては「仮面ライダーは一般人には見えない」などの基本設定すらなくなってしまっている。

 

まして『仮面ライダードライブ』はベルトさんが自ら特状課を去るという綺麗なエンドを迎えただけにハードルも上がっていた状況。進ノ介が再びドライブに変身するだけでも工夫が必要な中で何故特撮初登板の方を呼んだのか…。ドライブのラストに関しては色々と言いたいこともあるが、今回はあくまでゴーストに関する話題のみに留めたいと思う。

 

警視庁が不可思議事件を追う過程で、常に近くにいる御成とアカリに目をつける展開はとても引き込まれた。ドライブとゴーストの物語の噛み合わせ方として巧かったと思う。まあ、ドライブ最終話の特別編で既に2人は出会っているのだが…。そこから大天空寺での4人ライダー共闘を経て、タケルと進ノ介がモノリスに吸い込まれ10年前の大天空寺へ。流れでゴーストハンターでタケルの父親でもある龍に弟子入りし、眼魔の事件を追うことになる。

 

まさか2人の主役ライダーが同じ宿に泊まり、一緒に風呂に入るような映画が作られようとは誰が想像しただろうか。しかもそれをギャグではなくハートフルに描いているのが特徴的。『超MOVIE大戦ジェネシス』は全体的にスローテンポで物語の起伏が乏しいのだが、その分新鮮さもあるので、新しい脚本家を起用するのもたまにはいいなと思わせてくれる。金田監督の古びた演出もその頃ライダーで流行っていたギャグ演出とは程遠いもので、テンポの違いでここまで作風が変わるのかと驚かされた。本願寺課長と仙人のギャグはやり過ぎな気もするが…。

 

ただ、やはり金田監督ということで早めの春映画がやってきたような感覚はある。私は面白がって観られるが、キツい人にはとことんキツいノリかもしれない。ハート達を追い詰めるマッハとスペクター、そこに合流するチェイス、3人ライダー変身からの本願寺変身、ギックリ腰、本願寺死亡、本願寺と仙人のコント、本願寺復活の流れはどう考えても頭がおかしい。チェイス復活の感動的な流れのはずなのになんて物を出してくれるんだ。意味もわからず本願寺の遺体に花を手向けるマコト兄ちゃんが観られるのはこの映画だけ。

 

マコト兄ちゃんといえば、当時TVシリーズでは「お前は甘い」とタケル達に襲いかかる妹想いでクールなライバルキャラだったはすが、この映画では展開の都合により激甘になっており、タケルへの態度はそのままに完全に仲間入りを果たしてしまっている。役者さんのどう演じていいか分からないギクシャクした演技が逆に面白さを増してしまう。ただ、物語に深く関わるキャラでもないので正直出番がなくても良かったのではないかとも思う。

 

ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロの3体の眼魔が現れるが、これもTVシリーズの設定とは矛盾。そもそも眼魔は眼魔世界に住む人の魂を武器の肉体と合体させて出来た怪人なので、名称も肉体となった武器の名前をとって○○眼魔となるはず。だが、この映画は本物のダ・ヴィンチ達が悪人になったかのような描き方をしている。この3人はロビンフッドなどとは違い、確実に実在している方々なのでそれはそれでマズいと思うのだが、そんなことはお構いなしにケンドーコバヤシの声で喋り続ける。そもそもダヴィンチ達の眼魂は英雄眼魂のはずなのに形が眼魔眼魂だし、それなのにタケルやマコトは英雄眼魂と勘違いしているし…というツッコミどころ満載で矛盾のオンパレードとなっている。この映画に登場する眼魔に関しては、自分たちをダヴィンチやラファエロだと思っている頭のおかしい敵くらいのニュアンスでいた方がいいのかもしれない。モナリザを投げつけてくるダヴィンチなんていないのだから…。

 

天空寺龍は、この映画で最も強い存在感を放っている。TVシリーズでもキーパーソンなのだが、この映画の為の役なのではないかというくらい後半は出番がない。それもそのはず、12話でタケルの命をリセットするために消滅してしまったのだから。

映画では龍がどんな人間だったか、何故死ぬことになったのかが明かされる。ただ、後者に関してはTVシリーズ終盤で明かされる展開と矛盾することになった。彼はゴーストハンターとして活動していたが、これも眼魔はそもそもゴースト(幽霊)とは異なるのでかなりあやふやな設定。要は眼魔と密かに戦っていたということなのだが、ならゴーストハンターなんてややこしい職業を名乗らなくても…。生身で眼魔と対等に渡り合うほどの実力の持ち主なのだが、その力の理由は結局明かされることはなかった。パラレルワールド設定になってしまったために小説版などでも補完がない。永遠の謎である。ただ、西村和彦さんの演技力でどうにかタケルの父親としての威厳が保たれていた。

 

ストーリーは可もなく不可もなくといった感じ。タイムトラベルものの割に、死ぬはずの父を助けようと奔走するでもないし、SF的な仕掛けが施されてるわけでもない。進ノ介のプロポーズは悪くなかったが。死んだ父が眼魂となり、その想いを受け継いだタケルが仮面ライダーゴースト父さん魂になる展開はよかったが、どう見ても闘魂ブースト魂なので今見ると笑ってしまう。想いを受け継ぐというのは『ゴースト』のTVシリーズに共通するテーマなのだが、映画ではタケルが亡き父と想いを通わせることにより、力を得る構成。10年ぶりに父と接触することでタケルの成長を描いている。実にゴーストらしいが、意外性はない。せっかくなら人生の後輩でもある進ノ介からも言葉がほしかったところ。

 

ただ、最終決戦でのリケジョアクションやノリノリの御成なんかは映画ならではで面白い。TVシリーズと完全にパラレルワールドになってしまったことで、黒歴史扱いに見えなくもないが、父と子の物語として一貫している点は評価したい。

 

最後に

今回は番外編3作と劇場版1作についての感想。前年の『ドライブ』から、仮面ライダーシリーズはTVシリーズ以外にもいろいろと展開していくので、追う方は大変なことに。特に視聴が困難なのがBlu-ray BOX特典のアラン英雄伝。『ジオウ』を除いて今も続くやり方なのだが、10分少しの映像に定価2万円というのはハードルが高い。しかし第2章・第3章は未見なので楽しみにしている。

 

総括すると、DVD2作はギャグに振り切った番外編ならではの面白さが爆発している。アラン英雄伝1章はTVシリーズをアランの視点から見られる楽しさがある。『超MOVIE大戦』はテンポは悪いがまあまあ、といったところ。ゴースト本編を観るのにはどれも飛ばしていいのだが、気になる方は観てもいいかもしれない。

 

 

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