ミーアキャットスペース

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『仮面ライダーゴースト』感想② 第7話~第12話

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『仮面ライダーゴースト』の感想記事、今回は第2回目。英雄眼魂集めに一区切りつく7話~12話までの話。

 

 

 

第7話「早撃! 伝説のガンマン」

ビリーザキッド魂初登場。初の2話完結回でもある。単発ゲストのはずなのに依頼人の恒男がとてもいいキャラなのが印象的。第6話で迷いを吹っ切ったタケルがスペクターと再戦し、幼き頃に彼に語った「負けたと思わない限り、負けてない!」のフレーズを合言葉に戦いに身を投じていく。くよくよ悩むのではなく、この思い切りの良さに平成2期らしさが表れている。

 

御成とアカリは眼魂を集める謎の男・西園寺の動向を見張る。二人の目の前でなんと彼はビリーザキッドの眼魂を生み出した。西園寺の目的が明かされるのは第11話なのだが(しかもそのまま退場してしまう)、ここで彼がタケルと同様に眼魂を生み出すことが可能であったことが明らかになる。これを踏まえると、何でロビンフッドやノブナガの時は英雄への想いを持つ二人の命を犠牲にするなんて面倒な方法をとったのかが疑問になってくる。どう考えても目の紋章を書く方が簡単なのだ。眼魔や西園寺には紋章が書けないのかなとも思っていたが、この回で西園寺が書いてしまった。つまり人を殺す必要などなかったのだ。英雄眼魂争奪戦というだけでもゴーストと眼魔の衝突は描けるので、設定がうまく噛み合っていないのが残念なところ。

 

初の柴崎監督回ということで、今回の見所はちょっとした生身アクション。眼魔が人間につけた小さな虫をガンガンセイバーで切りつけるシーンなのだが、タケル殿の殺陣がうまく決まっていてなかなか様になっている。さすがはゴーストハンターの息子。いや、このゴーストハンターというのも未だに納得いってないのだが……。

 

第8話「発動! もう一つのモノリス!」

タケルがスペクターの正体に気づく。むしろ何故今まで気づかなかったのだろうか。最初から気づいてもよかっただろうに何の都合か謎の男扱いをされていたマコト兄ちゃん。そして西園寺との掛け合いにより、スペクターの目的が眼魂となってしまったカノンちゃんを生き返らせることだと明かされる。二人して普通に大天空寺に墓参りに来るの一体何なんだ。それにしても、このカノンちゃんがこれからレギュラーに参加するのだが、彼女が眼魂になってしまった理由は結局明かされないまま作品は終わってしまう。そもそも眼魂になるという状態がどういうことなのかもよく分からない。この時はまあそれなりに危機感があったのだが、話が進み眼魔の正体が明かされると彼女の眼魂化が腑に落ちなくなる。本当に何があったのだろうか。

 

マコト兄ちゃんは西園寺に唆されて尊敬していた天空寺龍こそ自分とカノンが眼魔世界に囚われることとなった元凶だと勘違いしてしまう。といっても、視聴者はこの時点では西園寺の言葉を怪しむしかないわけで、本当のところは分からない。まあ、実際には西園寺こそ龍の研究を利用して勝手にモノリスを発動させた張本人なのだが。怒りのあまりタケルに当たり、「俺とカノンは10年間地獄を経験した」などと言うのだけど、これもその後の展開を知っていると腑に落ちないセリフ。即座にアラン達に助けられたわけだし、何より眼魔の世界って別に殺伐としているわけではないし。この辺うろ覚えなところもあるので、何かヒントが見つかれば後の記事で書こうと思う。

 

第9話「堂堂! 忠義の男」

ベンケイ眼魂の登場により遂に15個全ての眼魂が生まれた。ペース早いなあとは思っていたが、まさか西園寺が5個も持っているとは。正直結局15個分の販促は終わらなかったわけだし、何も11話で一旦眼魂集めに一区切りつく構成は必要なかったのではとも思う。2クールくらいまでずっと集め続けてればよかったじゃん。何なら2クール目そんな感じだったじゃん。

 

で、長かった新フォーム登場ラッシュもようやく一段落。言ってしまえばパーカーとマスクを変えているだけなのだが、デザインといい創意工夫といい、独創性が存分に発揮されていてとても見ごたえがある。4種類に変形するガンガンセイバーにガジェットを加えて、各フォームごとの武器になる発想もすごくよかった。戦闘スタイルが大胆に変わるし、それを玩具でも再現できるのが嬉しい。マジでアイデアに関しては平成ライダーの中でも上位だと思っている。

 

ここにきて1クール目のボスであるジャベルと、龍の研究の協力者である五十嵐が登場。ジャベルは年末の戦いでグンダリ無駄遣いおじさんの異名をほしいままにしていたのが記憶に新しい。ゲキチョッパーの時とはまるで違う役どころ。五十嵐博士は、『龍騎』に出てきた神崎士郎の大学の教授を想起させるひたすら後悔し続けるタイプの科学者。龍たちの研究という大きな謎が迫ってきて、どんどん面白くなっていく。しかし、五十嵐がタケルと和解したところで眼魔に襲われてしまい、真相は藪の中。結局終盤になってもハッキリしなかった謎なので、ここでもう少し情報を出してもよかったのではないかなと思う。サスペンス的要素も入ってせっかく面白いのに。せめてしれっと仙人との関係を匂わせるとか、それぐらいはしてほしかった。

 

そしてタケルがマコト兄ちゃんの目的を知る。それによりカノンちゃんか自分、どちらを生き返らせるかという二者択一を迫られるのだが、それはまた次回の話。

 

 

 

第10話「終結! 15の眼魂!」

15の眼魂が揃ってしまった。いやあ本当に早い。早かった。今年のアイテムは15個もあるのかあと思っていたのに、もう集まってしまった。あれだけ御膳立てをしたタケル殿の消滅タイムリミットも目前に迫っている。この回では前回マコト兄ちゃんの目的を知ったタケル殿が、自分かカノンどちらの命を取るかという選択を迫られる。といっても、タケル殿の中では答えは出ていてカノンちゃん一択。それを御成やアカリが諭すという展開。という大枠だけ見るとすごく丁寧に描かれた1クール目だなと思うのだが、改めて観ると結構粗が多かった。これについては11話のところで触れたい。「自己犠牲は尊い行いだが、必ずしも正しいとは限らない」という御成のセリフは、非常に毛利脚本らしい心に響く一節。このセリフだけでこれまでコメディチックだった御成のキャラクターが一気に固まるのでさすが名サブライターである。

 

カノンを人質に取られたマコト兄ちゃんが眼魔に眼魂を全て渡し、タケル殿もシブヤを利用されて眼魂を奪われかける。その流れでマコト兄ちゃんの眼魂が全てタケル殿の元に集うのだが、ジャベルとの戦闘でバラバラと落としてしまい(出た! 平成ライダー名物!)全て西園寺に横取りされる。というか遠くの眼魂を吸収する便利スーツケースはなんだ。ゴーストとスペクターを相手に圧倒的な差を見せつけるジャベル。これまでの眼魔とは違い、ごちゃごちゃしていないシンプルなデザインがとてもカッコイイ。戦い方もひたすらスタイリッシュな肉弾戦で魅力的。

 

第11話「荘厳! 神秘の目!」

遂に15個の眼魂が全て揃ってしまう。しかもそれを揃えモノリスの前に立ったのはなんと西園寺だった。悪用間違いなしの彼の望みは、全てのものを支配する力を手に入れること。え、そんなキャラだったか? いや確かに西園寺に関しては何の積み重ねもないまま暗躍していたので予想できるはずもないのだが、それにしてもチープすぎないか? しかもゴーストドライバーを持っていなかったがためにそのまま消滅してしまうという体たらく。消滅まではさせなくてもよかっただろうに。当時西園寺のキャストさんが花束を持って「オールアップです!」と書かれた東映HPの写真でファン視聴者が動揺していた記憶がある。思えばこの辺りから『ゴースト』の悪癖、「積み重ねの薄さ」は現れていたのだ。

 

そして次に召喚されたのはタケル殿。望みを訊かれ迷わずカノンを生き返らせてほしいと頼む姿は正に聖人君子。で、10話の感想でも触れたがこの点の大きな違和感に関して述べたい。確かにタケル殿が自分の命よりも他人の命を優先してしまうという展開はヒーローものの主人公としてアリだと思う。ただ、問題はカノンちゃんを優先すべき理由が全く存在しない、という点。何故なら、タケル殿は99日というタイムリミットがあるのに対し、カノンのそれについては全く言及がないからである。マコト兄ちゃんは何故かタケルや眼魔よりも先にと焦っていたが、眼魂集めを何度でも行えばいくつも願いが叶えられる可能性がある現時点では、時間制限のあるタケル殿を優先してしまっても全く問題がない。というかそうするべきなのだ。

 

しかもカノンちゃんがどういう状態なのかもよく語られていないし、眼魂を15個集めること=なんでも望みが叶うという共通認識が視聴者とキャラクターの間でなされていない。ネタバレ覚悟で結論から言うと、15個の眼魂はグレートアイというどんな望みも叶える大いなる存在を召喚するアイテムなのだが、そのことはまだ明かされていないので、何なら人を生き返らせるアイテム的な認識もできてしまう。しかもこの謎が最後まで明かされなかったというのがゴースト最大の問題点でもある。確かにこの眼魂でのアクセスにより、イーディス長官(仙人)が以前に作ったグレートアイの守護者=ガンマイザーが覚醒し、しばらく眼魂集めは意味をなさなくなる。だが、それが明かされるのは中盤なのだ。現時点ではタケル殿は自分を生き返らせて全く問題がなかった。

 

話を戻そう。結局タケル殿の人柄の良さを優先したがために、全く頭の回らない人間になってしまったキャラクター達。この局面に至っても正解を導き出せなかったのは何故なのだろうか。物語の雰囲気はすごくいいだけに、細かい設定にどんどん粗が出てくるのが悲しくて仕方ない。この頃からガンマイザーの設定はあったのか、タケル殿が降りてきた直後に仙人が「奴ら、勘付いたか」と言っているのが奇跡なくらい。

 

設定以外にも、タケル殿のキャラクターとしてそれでいいのか、という問題がある。第2話では自分が死んでしまったことで落ち込んでいたし(アカリに励まされ立ち直ったが)、第6話でもマコト兄ちゃんの言葉に自信を失っていた。そして、続く第7話で自分も他人も助ける、決して諦めないと決意した。そんな彼が迷いもなくカノンちゃんを選ぶか、という点である。タケル殿を仏様扱いしたいのは分かるし、実際後半になるにつれてタケル殿はマジで仏みたいなことしか言わなくなるのだが、それにしてももっと人間味のある葛藤がほしいところ。最初こそ等身大の高校生ヒーローという印象だったのに、ハグ魔になった辺りからどんどん仏度を増してしまっている。

 

とまあ批判をしてしまったのだが、実はこの回、アクションだけで言えばゴースト屈指の回でもある。それもそのはず、クリスマス商戦に向けた年末予算が出され、フルCGの怪物グンダリとの戦いが待っているのだ。和解したゴーストとスペクターが次々にゴーストチェンジしてジャベルと戦う姿は圧巻。その後のバイクアクションでの巨大戦も相当の見ごたえ。そう、『仮面ライダーゴースト』は話のテンポは絶望的だが、アクションはかなりいいので何とか視聴できるのだ。

 

第12話「壮絶! 男の覚悟!」

結局15個の眼魂を集められないままタイムリミットを迎えてしまったタケル殿。御成やアカリ、シブヤ、ナリタの協力も虚しく99日目が来てしまう。タイムリミット早すぎないかとは思っていたが、まさか12話で来てしまうとは。確かに1年ものの作品を劇中時間99日で頑張るのは無理があると思うが…。

 

しかし、タケル殿は奇跡の復活を果たす! 死後の世界で父親と出会い、99日のタイムリミットはリセットされたのだ! すごい!何それ!

いや全く理解不能だし今後の展開の伏線というわけでもなく、ただ単純に根性でのリセットというどう考えても納得できない強引な手を使われてしまった。考察班もびっくりである。しかも闘魂ブースト眼魂というお土産まで持ってきており、パワーアップしてジャベルを倒してしまう。めでたしめでたしなのに理屈がなさすぎて感情が追い付かない。まあ主人公が死ぬわけはないので何らかの形で生き返ることは想像していたけど、まさかこれほどまでとは。しかもこれ、別にゴーストの他のおかしな点とは何のリンクもしていないので、事前にある程度決まっていた展開だと予想できる。ナチュラルで99日のタイムリミットを有名無実化できるこの展開、一体なんなんだ。これなら11話もあったわけだし龍がその手の研究をしていたとか、そういう描写があってもよかったのに。

 

注目したいのが闘魂ブースト魂の武器、サングラスラッシャー。前年にシンゴウアックスというトンデモ武器を出された私たちに怖いものはないのだが、それでも鍔の部分にガッツリサングラスがある剣って一体どういう発想なのだろう。目がモチーフの眼魂に合わせたんだろうが、「メガマブシー!」で目が眩しいとメガの洒落とか狂気に満ちている。『ドライブ』はハンドル剣やドア銃なんかもイジる器があったけど、ゴーストはそういう武器をサラッと出してくるから侮れない。ガンガンセイバーがストレートにかっこいい&感心してしまう武器だっただけに当時は衝撃だった。

 

次回からは更なる眼魂集めと眼魔の世界の秘密に迫っていく内容。もう一度消滅を乗り越えてしまったので99日のタイムリミットは全然信用できなくなった。その代わり、大いなる謎が提示されていく2クール目はなかなか引き込まれる。問題はその謎がいつまで経っても劇中で解明されないことなのだが……。

 

最後に

2記事目にして『仮面ライダーゴースト』1クール目を総括することができた。自分よりも他人の命を優先する純真な主人公という点は貫けていたが、肝心な点で粗が目立つのは残念。それでもこの作品を嫌いになれないのは、やはり作品に通ずるテーマが自分好みなところにあるのかもしれない。見せ方は決してうまくなかったが、根底にあるテーマはかなりストレートに心を打つのだ。次回は映画やてれびくんDVDについてになる。

 

 

 

 

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