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野球を観ていると耳にする「敬遠」や「故意四球」。
どちらもバッターを意図的に歩かせるプレーですが、実は意味やルールには違いがあります。特に近年は「申告敬遠」の導入により、野球における敬遠の形も大きく変化しました。そこで、今回は初心者でも理解しやすいように、野球の敬遠の基本から違い、戦術的な意味までわかりやすく解説していきます。
野球の敬遠と故意四球は何が違う?
野球における「敬遠」と「故意四球」は、どちらも意図的に打者を一塁に進めるプレーです。
ただし、厳密には敬遠は戦術的な行為全体を指し、故意四球はその結果として記録されるプレーを意味します。一般的に「敬遠」と呼ばれているものが、公認野球規則でも定義されている「故意四球」というわけですね。
「松井秀喜選手が甲子園で5打席連続敬遠される」「新庄剛志選手が敬遠球をサヨナラヒットに!」という伝説を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
参考サイト:高校野球 – Number Web – ナンバー
間違ってもバッターの手の届くところへ投げてはいけない
特にサヨナラ負けが懸かった守備の時には故意四球が有効に働きます。
ランナーというのは多ければ多いほど失点のリスクが高まりますが、一方でランナーが多く、詰まっている方がアウトは取りやすいのです。
故意四球を出す場合は、当然ですがバッターの手の届かないところに球を投げるのがベター。基本キャッチャーも立って、ストライクゾーンから大きく外れたところへ球を要求することになります。
申告敬遠導入後の故意四球は?
申告敬遠が導入された現在の野球では、ベンチからの意志表示だけで敬遠が成立します。
そのため、従来のように4球投げる必要がなくなりました。ただし、記録上はこれまで通り
「故意四球」として扱われ、投手の成績にも反映されます。野球の敬遠という戦術は変わらず存在しつつ、試合進行をスムーズにする形へと進化したといえるでしょう。
野球の敬遠と申告敬遠の違い
敬遠と申告敬遠の違いは、実際にボールを投げるかどうかにあります。
従来の敬遠、つまり故意四球は4球連続で外す必要がありましたが、申告敬遠ではその手間が省かれました。デッドボールでもないのにバットを振らず一塁へ向かって歩くのは、申告敬遠されているから、というわけなんですね。
ベンチからの指示でフォアボールが成立するため、試合時間の短縮にもつながっています。
野球における申告敬遠の意義
申告敬遠制度導入前は、故意四球をするとなると打者がどうやっても打てない球が、最大4球、ただただ投げ込まれるという時間が発生していました。
申告敬遠の場合はこの無駄な投球が省かれ、時短効果があるのですね。「これだけで一体どれだけ時短できるのか」と思う人もいるかもしれませんが、この申告敬遠制度がMLBで導入された主目的は、本当に試合時間短縮なんです。
では、他にどんな理由があるのか、戦術的な面を深掘りしてみましょう。
次の打者で勝負
強打者を避け、次の打者と勝負するのは野球の敬遠における最も基本的な使い方です。
特に得点圏にランナーがいる場面では、一発で試合を決められるリスクを回避できます。打順や打者の調子を考慮しながら、より抑えやすい相手を選ぶのがポイント。野球の敬遠は、相手打線を分析する有効な戦術として多くの場面で用いられています。
出典:なんJパリーグ部
ゲッツーを狙う
ランナーが一塁にいる状況で敬遠を行うと、ゲッツーと呼ばれるダブルプレーを狙いやすくなる点も見逃せません。
特に内野ゴロを打たせやすい打者が続く場合、野球の敬遠は守備側に有利な状況を作ります。アウトを一気に2つ奪える可能性があるため、リスクを取りつつも見返りの大きい戦術といえるでしょう。
状況判断が重要で、チームの守備力も結果を左右する要素となります。
満塁でプレッシャーを与える
あえて満塁にすることで、次の打者に大きなプレッシャーを与える狙いもあります。
野球の敬遠は、心理面にも影響を与える戦術です。満塁では押し出しのリスクがある一方で、守備側も集中力が高まります。打者にとっては失敗できない場面となり、思うような打撃ができなくなることも少なくありません。
打者の技術面はもちろん考慮されますが、メンタルの強さが判断材料になるということなんですね。
ピッチャーの集中力を上げる
野球の敬遠はピッチャーの気持ちを切り替える役割を持つ場合もあります。強打者との勝負を避けることで、精神的な負担を軽減できるのです。
また、一度間を置くことでリズムを整え、次の打者へ集中しやすくなります。結果として、敬遠以降に投球の質が向上するケースもあり、試合の流れを引き寄せるきっかけになるという点でとても重要です。
野球で敬遠をするメリットとデメリット
野球の敬遠には明確なメリットがある一方で、当然ながらデメリットも存在します。
強打者を避けられる点は大きな利点ですが、ランナーを自ら増やすリスクも伴うためギャンブル的要素も含んでいることも忘れてはいけません。状況によっては逆に失点につながる可能性もあり、判断を誤れば流れを相手に渡してしまうことも。
野球の敬遠はリスクとリターンを見極めたうえで慎重に使うべき戦術といえるでしょう。
野球の敬遠におけるルール
野球の敬遠には明確なルールが存在し、試合の中で自由に行えるわけではありません。
基本的な仕組みを理解しておくことで、観戦時の理解も深まります。
それでは、敬遠に関する代表的なルールについて、順を追って見ていきましょう。上手くイメージできないという人は、野球漫画「バトルスタディーズ」がおもしろすぎる ので、併せて読んでみてくださいね。
敬遠は何回までOK?
野球の敬遠に回数制限はありません。理論上は何度でも行うことが可能です。
ただし、実際の試合では戦術的な判断により頻繁に使われるものではありません。何度も敬遠を行えばランナーが増え、失点リスクが高まってしまいます。
そのため、試合状況や打者との相性、イニングや点差なども考慮しながら慎重に使われるのが一般的です。
敬遠は拒否できる?
野球の敬遠は守備側の戦術であるため、打者が拒否することはできません。そのため、申告敬遠でも同様に成立します。
ただし、従来の投球による敬遠では打者がスイングすること自体は可能でした。従って、まれにボール球をあえて打ちにいく意外性のあるプレーが見られることもあります。こうした駆け引きも野球の魅力といえるでしょう。
野球に申告敬遠が導入されたのはいつ?
先ほども触れたように、野球における申告敬遠は試合時間の短縮を目的に導入された新しいルールです。
まず、MLBでは2017年に採用され、日本のプロ野球(NPB)でも翌2018年から導入されています。さらに、高校野球でも2020年に採用され、各カテゴリーへと拡張。
こうした流れにより、野球の敬遠はより効率的かつ安全性を意識した形へと変化しました。
野球の敬遠はつまらない?
野球の敬遠については、「勝負を避けている」「つまらない」といった意見があるのも事実です。例えば、大谷翔平のようなスター選手との対決が見られない場合、物足りなさを感じるファンもいるでしょう。
一方で、チームの勝利を最優先に考えれば、敬遠はきわめて合理的な戦術です。試合終盤では特に重要な判断となり、勝敗を分ける要素にもなります。野球の奥深さはこうした駆け引きにあり、見方によって評価が分かれるポイントといえるでしょう。
野球の敬遠ランキング1位は誰?
長い野球の歴史には、数多くの故意四球や申告敬遠が記録されています。
特に強打者ほど敬遠される機会が多く、その数は選手の実力を示す指標の1つです。また、時代やリーグによって傾向も異なり、戦術の変化が数字に表れる点も興味深いところ。
ここでは、敬遠された回数が最も多かった選手をMLB(メジャーリーグ)とNPB(日本プロ野球)に分けてご紹介します。
MLB
MLBでは、90年代に「ピッツバーグ・パイレーツ」や「サンフランシスコ・ジャイアンツ」で活躍したバリー・ボンズが圧倒的な数字を残しています。
故意四球の通算記録は、なんと688本。その打撃力ゆえに勝負を避けられる場面が多く、野球史にも残る存在となりました。2004年には120本というシーズン記録も残しています。
NPB
日本のプロ野球では、王貞治が427本という記録を残しています。バリー・ボンズ同様にシーズン記録も残していて、ランキング1位から3位までを独占。名だたる強打者の中でも群を抜いています。
敬遠数の多さはそれだけ脅威とされた証であり、野球ファンにとっても興味深い指標です。また、チーム戦術や時代背景によっても敬遠数の傾向は変化しています。
最後に
今回は、野球の敬遠と故意四球、申告敬遠の違いを解説しました。
野球の「敬遠」は戦術的な行為全体を指し、故意四球はその結果として記録されるプレーを意味します。一方で、申告敬遠とは投手が4球投げずに打者を一塁まで歩かせることです。
敬遠は単なる回避行動ではなく、試合の流れを左右する重要な戦術でもあります。申告敬遠の導入には賛否両論ありますが、これまでのように時代とともに形が変化していくのかもしれませんね。









