『Fate』を見る順番は?時系列はどうなってる?スピンオフもまとめ

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『Fate』を見る順番は?時系列はどうなってる?スピンオフもまとめ

同人作品から世界的な有名ゲームになった代表作には「Fate」シリーズが存在します。「Fate」は一作の続編ではなく、聖杯戦争という骨格を共有する多数の並行世界で成り立つシリーズです。初見で迷う最大の理由は、原点「Fate/stay night」が三つのルートで異なる物語を描き、そこから前日譚・外伝・パラレルへ枝分かれしていること。まずは「視聴順(入門向け)」と「時系列(物語内時間)」を分けて考えると整理しやすくなります。

本記事では「Fate」の時系列の整理と見る順番、スピンオフの概要、といった内容について紹介していきます。

目次

「Fate/stay night」はすべての起点

「Fate/stay night」は、シリーズの出発点にして分岐する物語の原型です。そのため「Fate」シリーズの見る順番としては最初がおすすめです。本作品の舞台は仮想の町である冬木市であり、マスターとサーヴァントが万能の願望器である聖杯を巡って戦う第五次聖杯戦争がメインで話が展開されます。原作のゲームは「Fate」、「Unlimited Blade Works」、「Heaven’s Feel」の三種類のルートが用意されており、同じ登場人物と前提から主題が大きく変奏されます。

各ルートのテーマとしては、騎士道と理想、因果と選択、闇と救済のそれぞれの三つの答えが後続作へ無数の枝を生み、アニメ(ufotable版UBW、HFほか)で視覚化されたことで、以降の前日譚・外伝・パラレルを読み解く座標軸になりました。

前日譚の「Fate Zero」

「Fate Zero」は「stay night」の前日譚として第四次聖杯戦争を描く群像劇です。魔術師とサーヴァントの信念がぶつかり、理想と現実、正義の解釈が鋭く問われます。主人公である衛宮切嗣とセイバー、遠坂時臣とアーチャー、言峰綺礼とアサシンらの対立が、五次へ連なる傷と宿命を刻むのが見どころとなっています。戦術性の高いバトル、美術・音楽の重厚感、会話の駆け引きが魅力で、先に観ると本編の驚きが薄れる場面もあるため、初見はUBW・HFの後に鑑賞すると人物の動機と因果がより立体的に理解できます。

またアニメ自体の評価も非常に高く、「Fate」シリーズの見る順番としても上位に位置します。

「Fate」のパラレルワールド作品

「Fate Apocrypha」は、本編とは歴史が分岐した世界で勃発する大聖杯戦争を描く群像劇。黒陣営と赤陣営のサーヴァントが多数同時に激突し、裁定者「ルーラー」の介入も相まって、多種多様な宝具・理念が縦横にぶつかります。対して「Fate/EXTRA Last Encore」は、月の仮想基盤ムーンセル内「SE.RA.PH」を舞台に、記憶薄明の主人公とセイバー(ネロ)が階層を攻略する実験的な作品です。

抽象的台詞運びと映像演出が特徴で、世界の前提が本編と大きく異なります。どちらも別解として本編理解後に入ると、設定の差異やキャラの対照がより楽しめます。

日常系スピンオフ「衛宮さんちの今日のごはん」

「衛宮さんちの今日のごはん」は、これまでのシリーズの戦いや因果をそっと棚上げし、冬木の面々が台所に集う「もしもの食卓」を描くスピンオフ作品です。旬の食材や下ごしらえの所作が丁寧に描かれ、レシピとして実用性も高め。険しさの消えた表情や何気ない会話から、それぞれの関係性が穏やかに立ち上がります。

UBWやHFで人物像を知ってから観ると温度差がより愛おしく、シリーズの緊張をほぐすデザートのような一作として、どのタイミングにも挟みやすい作品です。

「Fate Zero」の後日譚スピンオフ

「Lord El-Melloi IIの事件簿」は、「Zero」で少年だったウェイバーがロード・エルメロイⅡ世として講義と探偵役を務める魔術ミステリーであり「Fate Zero」の後日譚に相当します。弟子のグレイや妹分ライネスらと、魔眼蒐集列車や時計塔の聖遺物争いなどを、儀礼と論理で解きほぐします。派閥政治や家系の因縁、代償を伴う魔術理論が随所に顔を出し、推理のロジックと世界観設定が緊密に噛み合うのが醍醐味です。

魔法少女パラレル作品「Prisma☆Illya」

「Prisma☆Illya』は、作中のキャラクターであるイリヤが魔法のステッキ「カレイドステッキ」と契約し、クラスカードと呼ばれるアイテム回収に挑むFateの並行世界の魔法少女物語です。日常コメディと華やかな変身・バトルが入口ですが、作中キャラクターであるミユやクロエの出自に触れる章では一転して重厚なドラマへと変貌します。

stay nightの設定や人物関係を踏まえると対応関係の妙が倍増する一方、物語は独立性が高く単独視聴でもOK。TVシリーズから劇場版まで続く長期展開となっています。

時系列の整理

「Fate』世界の物語内時間で整理すると、まず第四次聖杯戦争を描く「Fate/Zero』が先行し、その結末を受けて「stay night』へ分岐します。ここからは「UBW」、「HF」および「Fate√」という並行世界が同時に成立するため、一本線には束ねられません。また「Lord El-Melloi IIの事件簿」はZero後の年表上に位置し、「衛宮さんちの今日のごはん」はUBW系の日常スピンオフ作品として扱われます。

なお「Prisma☆Illya』、「Apocrypha』、「EXTRA Last Encore』は根から別世界ですので時系列からは外れます。

おすすめの見る順番

現在の「Fate」シリーズの見る順番として初見は驚きと分かりやすさ優先で、UBW(TV)→Zeroで見るのがおすすめです。この二作品はシリーズの重要箇所かつアニメのクオリティが高くおすすめです。さらにこれらのシリーズを見た後に映画版の「HF」三部作を見に行くのも良いです。これらの作品を通して本筋を掴んだら、箸休めに「衛宮さんちの今日のごはん」や並行世界や後日談を味わうなら「Prisma☆Illya」、「Lord El-Melloi IIの事件簿」と進めていくのも良いでしょう。

またスマホゲームの「Fate Grand Order」も全く異なる時間軸でありますが、「Fate」シリーズをまるごと楽しむならプレイするのも選択肢に挙がります。

まとめ

「Fate」シリーズは聖杯戦争という骨格を共有しつつ、多数の並行世界が枝分かれする作品群です。起点は「Fate/stay night」から始めるのがおすすめです。視聴は分かりやすさ重視で「UBW→Zero→HF」を軸にして、本筋を掴んだら「衛宮さんちの今日のごはん」などを見てキャラの日常に触れ、並行世界の「Prisma☆Illya」や後日譚の「Lord El-Melloi II』へ拡張していくのが作品理解を促進させます。

なお「Apocrypha」や「EXTRA」は別解、「FGO」は独立軸として好みで加えてみるのが良いでしょう。なおこれらの作品を一度踏まえたうえで再度鑑賞することで新しい発見をすることができます。

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