ミーアキャットスペース

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映画「レゴムービー2」ネタバレ感想! 前作を上回る感動作!

 

レゴ(R)ムービー2(吹替版)

 

1作目の衝撃から5年を経ての続編。正直、続編が作られると聞いた時は驚いた。あの初見殺しの演出と綺麗なエンディングに続きが必要なのか、と。日本語版予告が公開されるも全く話の概要が掴めない。むしろバットマンが「クセがすごい」などと流行からワンテンポ遅れた発言をしていてLEGO映画の宣伝に辟易した。しかし、1作目と「レゴ🄬バットマン ザ・ムービー」のことを想えばなんのその。鑑賞前の懸念は映画ファンの感情を必要以上に逆撫でする日本の宣伝よりも、むしろ映画の内容にあった。

 

で、観終わって、端的に感想を述べると、素晴らしかったです。もうこれからはレゴ映画と聞いたらダッシュで映画館に駆け込んだ方がいい。それぐらいしっかりとクオリティーを維持してるし、1作目を無下にしないどころか、それを踏み台にしてそこから一段飛躍していく。「前作以上のサプライズ」とか言われて、「は~? あの突然の実写演出以上に客を驚かせる方法があるわけねえだろ」と下に見てた私は完全に馬鹿だった。本当にサプライズが用意されているし、1作目以上の感動がある。

 

 

LEGO(R) ムービー(吹替版)

LEGO(R) ムービー(吹替版)

 

 

 

 

 

1作目のラストからシームレスにつながるオープニング。LEGOブロックで遊ぶ父と息子フィンの和解がそのままエメットらの活躍につながり、世界が救われる。しかし平和が訪れてすぐに、レゴワールドに宇宙からの脅威が現れた。これが実写パートではフィンの妹がレゴ遊びに参加したということを意味していて、1作目はコメディチックに幕を閉じた。しかし、2作目はこの宇宙人(妹)の襲来が物語の重要なカギとなる。宇宙人たちに対してエメットはハートを作って渡し、「誰もが特別」と友だちになろうとしたのだ。しかし、宇宙人はそのハートを食べてしまう。レゴワールドの住人はパニックに陥り、宇宙人たちの襲撃で世界は滅亡。現実と同じ5年という時間をかけて、マッドマックス的な(というかおそらくオマージュ)荒廃した世界へと変貌してしまう。

 

この文を読んでくれている方にはあらすじは不要だと思うので、感想だけを書いていく。

前作が「誰もが特別になれる」という一個人の希望を描いた英雄譚であったのに対し、今作はそこから一歩踏み込んで「人とのつながり方」を説いた作品であった。正直テーマとしてはかなり使い古された感があるが、「全員が特別」と人々を英雄として均し”個人”の価値を底上げした上で、”個人”同士の関わり方についてを提示することに意味がある。

 

また、前作でもお馴染みの「すべてはサイコー!!」がとんでもない使われ方をしていた。前作でもおしごと社長による洗脳ソングと映画の代表曲というダブルミーニングになっていたが、今作でまた新たな意味合いが加わってくる。それが、「すべてはサイコーじゃない」という曲(邦題合っているかは不明)。一個人が「すべてはサイコー」と言うことは簡単かもしれないが、人と関わることでサイコーは夢物語へと変わってしまう。「1位になりたい」という人が努力をしてトップになったのであれば、それはサイコーである。だが、別の人間が同じように「1位になりたい」という夢を抱いていたのであれば、どちらかは1位にはなれない。世界に慈悲はなく、誰かの欲のためにほかの誰かが犠牲にならなければならない。だから私たちはその”犠牲”にならないために、足掻き、もがき、苦しむ。その過程は美しくも醜くもある。

 

しかし、この映画は誰もがサイコーになるという夢を「夢で終わらせない」ように奮闘する人々の物語なのだ。劇中でワイルドガールが「すべてがサイコーにはならなくても、サイコーに近づける」と言ったのがこの映画のすべてである。そして、それは現実世界に生きるフィンと妹の関係性にも当てはまる。5年前にフィンからブロックで作ったハートをもらった彼女は、独自にレゴで遊ぶようになる。しかし、やはりそこは兄と妹。趣味も感性も大きく異なることに苛立っていたフィンは妹と大喧嘩を始めてしまう。そして、それこそエメットが夢で見たアルママゲドン(母親が怒りレゴをしまう羽目になる)の引き金であった。

 

メイヘムによってクイーンの結婚式へと連れ去られた面々は洗脳されたわけではなく、心の底からクイーンのいる世界を楽しんでいた。しかしワイルドガールはそれに気づかず、クイーンからバットマン達を解放しようとしてしまう。

誰にでも、うまくコミュニケーションが取れない相手というのはいる。人間である以上社会生活は避けられないわけで、一人で生きていける人はいても実際に誰とも関わらず生きている人はおそらくいない。だが、他人の行動は時にこちらの予想を大きく超えてくることがある。宇宙人たちのコミュニケーションは、エメットたちにとっては異質なものだったのだ。しかし、彼らは悪意を持っているわけではない。自分たちなりにエメット達の真似をして近づこうとした彼らが、勘違いで悪人扱いされていたのだ。これは要するに、レゴ遊びを楽しむ兄を羨ましがる健気な妹という実写パートにつながっている。

 

そして、その勘違いを誘導したのが新キャラのレックス。まあ声優や小ネタで気づいてはいたものの、その正体はやはり未来のエメット(特撮好きとしてはオーマジオウじゃん!とテンションがあがった)。小惑星にぶつかり5年の歳月を孤独に費やした彼は、自力でレゴの世界に復帰しタイムマシンを作ってエメットを救出する。レゴムービーの持ち味であるコメディ要素が、そのはちゃめちゃな設定にある程度の説得力を持たせてしまうのが憎い。彼は要するに”誰も信用できなくなってしまったエメット”だ。エメットのifルートというか、実際は正規ルートのエメット。誰にも助けてもらえず自力で脱出した彼が唯一信用できたのが自分自身であるエメット本人。クイーン達を悪だと決めつけ、エメットを利用してアルママゲドンを企むも、彼らの絆の前に敗北する。彼は自らだけでも「すべてはサイコー!!」を謳歌しようとした独善的な人間だったのだ。

 

しかし、彼を悪役だと決めつけるのは早計である。彼の存在がなければ、彼が復讐を誓わなければエメットは永遠に洗濯機の下で孤独に過ごすことになっていたのだ。そしてアルママゲドンが起きることはなく、フィンと妹の関係も大喧嘩とはいかないまでも微妙な仲になっていたことだろう。今作でも結果的にエメットが世界を救った功労者だと言える。

 

長々と書いていったが、やはり前作とは違う切り口ながら綺麗につながる見事な構成にレゴムービーの真髄を見た感がある。1作目を知っていることがこの映画の足枷になるのではないか(主に実写パート的な意味で)と懸念していたが、宣伝のとおり、それを上回るサプライズが用意されていた。小ネタの楽しさやすべてがレゴブロックで再現されるという演出だけでなく、娯楽に対しての向き合い方をきっちりと表明してくれる、正に「レゴムービーの続編」と言える出来であった。この調子で3作目と言わず何作も続いてほしいところである。

 

 

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