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映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ネタバレ感想! 評価など必要としない紛れもない傑作! 人類はただゴジラに平伏すのみ

 

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(オリジナル・サウンドトラック)

 

待ってました、この時を!

ハリウッドが遂に素晴らしいゴジラ映画を作ってくれた。もう迷いはない。我々人類はただゴジラに平伏すのみ。何もかもが完璧。小さな問題なんていうのは、街を粉々にし人々を次々殺していく怪獣たちのバトルの前では全くの無意味。ただただ素晴らしい、それだけの映画だった。

しかし、そんな陳腐な感想だけで記事を書くわけにもいかないので、しっかりとこの『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』がいかに素晴らしかったのかを文章にまとめたいと思う。

 

最近のゴジラシリーズ

ゴジラシリーズは、映画だけでも日本で30作以上が作られ、その中にはアニメーション映画も含まれている。コミカライズや小説化をされたものもあり、海外ではゴジラのアメコミまで存在する。なんなら、この『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の前日譚もアメコミ化されている。

 

ゴジラ:アフターショック (LEGENDARY COMICS)

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直近の実写ゴジラ映画は、当時話題になった『シン・ゴジラ』。あの映画を初めて観たときの衝撃(蒲田くんや内閣総辞職ビームなんて名前すらまだなかった)は、未だに鮮明に覚えている。『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野監督だからそれなりに面白いだろうと期待していたのだが、こちらの期待をはるかに上回る傑作であり、完全な情報遮断というプロモーションの巧みさもあって大ヒットにつながった(しかし、『君の名は。』にあっさりと興行収入を抜かれる……)。その後、日本では『魔法少女まどか☆マギカ』などで有名な虚淵玄を脚本に据え、俗にアニゴジと呼ばれるアニメ版ゴジラ三部作が公開される。企画自体は『シン・ゴジラ』より前からあったものだったらしいのだが、こちらはアニメでゴジラをやることに対するファンの期待とは全く異なる純度100%のSFもの。突如出現した怪獣たち、そしてその頂点に君臨するゴジラに地球を追われた人類が、2万年の時を経て反逆に出る物語だ。ゴジラファンの多くがアニメーションだからこそできる怪獣たちのバトル演出に期待を寄せていたのだが、実際には虚淵らしさ前回の人外化や宗教の要素まで持ち出したストーリーがメインで、怪獣バトルはほぼなしという、ファンにとっては非常に残念な作品だった。ただ、怪獣ものという視点はなしにSFとして観るとかなり見ごたえがある。だが、ゴジラと銘打っておいてこれはないだろ、という思いは残ってしまうのが残念だ。

 

シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組

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GODZILLA 怪獣惑星 Blu-ray スタンダード・エディション

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一方ハリウッドでは、2014年の『GODZILLA』(俗に言うギャレゴジ)から始まる「モンスターバース」の2作目として『キングコング:髑髏島の巨神』が公開。こちらのコングは2020年にゴジラと戦うことが決まっていることもあり、従来の個体から大幅に巨大化。デカいゴリラだったはずのコングは、超デカいゴリラへと変貌した。そしてコングだけでなく、様々な怪物たちが登場し、島に降り立った人々に次々に襲い掛かるという、頭空っぽでも心の底から楽しめるとんでもない映画になっている。そのラストシーンには、ギドラなどの存在を予感させる壁画が登場。この壁画は当然本作に繋がっている。

 

 

 

そして、満を持して公開となった本作。『GODZILLA』の続編にモスラやギドラが登場すると情報が入った時、ゴジラファンのどよめきは半端じゃなかった。しかし、そこに迷いがあったのも事実。というのも、2014年の『GODZILLA』は手放しで喜べる出来ではなかったのだ。ほとんど登場しないゴジラ、真っ暗で何をしているのか分からない画面、やたら長いドラマ。新進気鋭のエドワード・ギャレス監督の色が反映されすぎた結果、我々ファンはこの映画をどう受け取ればいいのか非常に困ってしまった。1999年に公開された初めてのハリウッド版『GODZILLA』は、ゴジラの名を冠した全くの別物。ティラノサウルスチックな卵生のゴジラなど、我々が認められるはずもなかった。2014年版は、しっかりとゴジラの形をしている上に、ハリウッドらしいアレンジがされている。当然卵生でもない。しかし、この演出ではどうにもテンションを上げることは叶わず、いわば”おあずけ”を喰らった形だった。

 

GODZILLA ゴジラ(吹替版)

GODZILLA ゴジラ(吹替版)

 

 

 

だが、もう過去のゴジラのことでブツブツ言う必要はない。我々は前に進むべきなのである。なぜなら『キング・オブ・モンスターズ』が世に誕生してしまったからだ。

 

感想(最高)

ゴジラとモスラとラドンとギドラが登場して大迫力の怪獣バトルが繰り広げられると聞いて心が躍らないはずがない。そして、予告が解禁された時点で傑作である予感はしていた。いや、仮に傑作にならなくともハリウッドがギドラやモスラやラドンを自分たちのものにしてしまったということが重要なのだ。

言わばこの映画はゴジラシリーズが60年以上かけて積み重ねてきたものの集大成であり総決算。当初のゴジラは登場する度に年齢層を下げていったし、平成に入ってからもなんだか変な設定がノイズになってしまっていた。そんな中でCGを認めない派閥なんかも登場してしまい、ゴジラは自らが歴史を積み重ねていくごとに糾弾される的になってしまった。『シン・ゴジラ』は一般層を巻き込むことで「すごい映画」という箔をつけることに成功したが、正直他のゴジラ映画で誰もが傑作だと肯くものって本当に少ないのではないだろうか。ストーリーの面でもアクションについても同じことが言える。

しかし、この映画は日本が予算の制約等によりできなかったことをいとも簡単にやってのけてしまう。そう、私たちはただデカい怪獣同士が戦い合っているのが好きなのだ。いつしかその感覚は子供向け、そして時代遅れとされ、毎年恒例となっていたゴジラ映画は、2004年で一旦幕を下ろしてしまった。だが、ハリウッドがこんなにも本気で怪獣プロレスに向き合えば、こんなに素晴らしい作品ができる。日本人が長年かけて育て上げた数々の怪獣たちが、莫大な予算をかけたCG技術で見事に復活する。彼らがそこにいるかのような動き、そして恐怖を伴う迫力。それだけで私たちは十分に感動してしまうのだ。

 

あれがよかった、など

細かい点を挙げればキリがないのだけど、とりあえず思わず唸った点をいくつか挙げておく。

・モスラ幼虫

映画で最初に現れる怪獣がモスラの幼虫。日本版よりも目つきが鋭く、また操演では難しい動きも楽々こなすさすがのフルCG。少し姿勢を上げた時に体の裏側まで見ることができたのは嬉しかった。

・裏切り者ラドン

ラドン、お前そんなにスネ夫みたいな感じだったっけ……。確かに熱線や雷を吐くことはできないし、言ってしまえばただのデカい鳥なのだが、それでも人間にとっては十分な脅威。戦闘機から緊急脱出した隊員をパクッと口に収める辺りなんかホラー映画のそれ。一度は果敢にギドラに挑むもあっさりと海に落とされ、その後はギドラ信者に。しかしモスラに敗北し、ラストシーンでは他の怪獣同様ゴジラに首を垂れる。その身軽さ、見習いたい。

・ピカチュウと化したモスラ

最後、ゴジラ&モスラVSギドラ&ラドンの戦い。『三大怪獣 地球最大の決戦』ではラドンもゴジラ側だったのにね~。今回はギドラにあっさりと負けたせいで、ギドラ側につくことに。そんな中で気になるのがやはりゴジラとモスラのコンビネーション。背びれを光らせるゴジラの肩に、サトシの肩に乗るピカチュウよろしくちょこんと乗っかるモスラ。本当にかわいい。ゴジラが王でモスラが女王と表現されていたのもよかった。インファント島の設定はなくなったが、モスラの歌も健在。こういった日本版リスペクトが随所に感じられるのも非常にいい。

もっというと、糸を吐いてギドラの機動力を奪うモスラとビームを出して攻撃するゴジラのコンビが、スパイダーマンとアイアンマンのコンビにも見えて、そこから『エンドゲーム』の結末が思い返されて泣く。

・完全にタイミングを見計らってるゴジラさん

「ヒーローは遅れてやってくる」なんてよく言われるが、今回のゴジラの登場はまさにそれ。人間が今まさにギドラに襲われる・・・食われる! そんな時にすかさず現れギドラを押しのけてくれる優しいゴジラ先輩。いや、ラブコメバトルものの手法かよってくらい人間を恐怖のどん底に落としてからやってくるものだから非常に計算高いはず。でもあれやられたら当人だけでなく観客もメロメロになってしまう。それほど今回のゴジラはタイミングがいい。

・ギドラを食うゴジラ

最後、ギドラの頭を口に含んで若干遊んでるゴジラも可愛らしかった。あの場面のキーホルダーも欲しい。熱線をギドラの頭越しに出したりしていて、彼の無邪気さがよく表れている名場面。

・ラストシーン

なんといってもラストシーンだろう。怪獣たちが次々とゴジラの周囲を囲み、ただ怪獣王に平伏す。ゴジラが怪獣王という二つ名を与えられてからかなりの時が経ったが、ここまで直接的にゴジラ=怪獣王だと演出したシーンは他にない。ゴジラは遂に圧倒的な強さという意味だけでなく、王としての地位まで確立してしまったのだ。

 

ざっとまあこんなものだろうか。全て怪獣に関することだが、まあゴジラ映画なのだから仕方がない。今回初登場のマンモスみたいな怪獣やクモンガを彷彿とさせる長足の怪獣などは、今後の活躍を期待したい。

 

ドラマ面について

怪獣が大暴れするだけで正直十分ではあるのだけれど、やはりドラマパートはかなり稚拙。とりあえずつけました! というくらいのチェーン店感。しかし、この映画の主役は紛れもなくゴジラなのでドラマがなかったとかつまらなかったとかそんなことは些事にすぎず、決してこの映画の評価を貶める理由にはならない。怪獣が暴れる、それだけでもう私たちは十分なのだ。

ただ、渡辺謙演じる芹沢博士が自らの命を犠牲にしてまでゴジラを復活させる展開はなかなかよく、彼の最期の言葉となった「さよなら、古き友よ……」もなかなか粋なセリフだな、と。ただ、前作に続いて登場した二人が両方死んでしまうとは思わなかったのでそこはびっくり。

 

最後に

ゴジラ最高!以外の感情を失っているので、私の感想が読んでいただいた皆さんのタメになったかとかは全く分からないのだが、とにかく最高だった。なんならこの映画を永遠に量産し続けてくれるだけのモンスターバースでもいい。しかし、来年にはゴジラとコングが遂に決戦。そして監督は「きちんと決着をつける」と言っているので、必ずどちらかが敗北するか死ぬかという結末になる。ゴジラは全ての怪獣を味方につけてしまったようだが、コングは大丈夫だろうか……。また、ギドラの頭部もまだ残っているので、そこからメカギドラが作られる可能性もある(あるか?)。なんにせよ、今後の展開にもかなり期待ができそうだ。最後に、ドハティ監督、本当にありがとうございました!!

 

 

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(オリジナル・サウンドトラック)

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(オリジナル・サウンドトラック)

 

 

 

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ キングギドラ2019

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ キングギドラ2019