母の日に観たい!吉永小百合・二宮和也主演『母と暮せば』レビュー

母の日といえば、カーネーション。プレゼントは渡せても「感謝の気持ちを伝えるのは恥ずかしい」という方は多いようです。母の日なのに「いつもありがとう」と素直に言えない場合は、映画の力を借りてみるというのはいかがでしょうか。

そこで今回は母の日におすすめの映画、『母と暮せば』をご紹介します。この映画を見ると、お母さんに感謝の気持ちを伝えたくなりますよ。

映画『母と暮せば』は原爆の日から3年後の長崎が舞台

名匠・井上ひさしの『父と暮せば』と対になる作品として、山田洋次監督によって映画化された『母と暮せば』。原爆投下から3年後の長崎を舞台に、母を吉永小百合さん、息子を二宮和也さんが熱演しています。日本中が泣いたこの愛の物語は、興行収入20億円の大ヒットを記録した感動作となりました。

作品情報

  • 製作年:2015年
  • 上映時間:130分
  • 監督:山田洋次
  • 脚本:山田洋次 平松恵美子
  • 音楽:坂本龍一
  • キャスト:吉永小百合、二宮和也、黒木華

あらすじ

第二次世界大戦中の1945年8月9日、長崎医科大学に通う医大生の福原浩二は講義を受けている中、投下された原爆によって命を落としてしまいます。そして月日は流れ、原爆の日から3年後の8月。原爆で息子・浩二を亡くした母・伸子は助産婦として暮らしていました。すると死んだはずの浩二が幽霊となって伸子の前に現れます。

浩二はその日以来、頻繁に伸子の前に現れ、たくさんの思い出話をするようになります。そして、その中で、二人は浩二の恋人だった町子のことについても話し合うようになります。町子は、浩二が亡くなった今でも伸子のことを気にかけ、用事をみつけては伸子の元を訪れていました。そんな町子を不憫に思う伸子は、もし町子に好きな人ができたら、幸せになることを許してほしいと浩二に頼みます。猛反発するも、しばらくしてから考えを改めた浩二は、町子に自分のことは気にせず幸せになるよう伝えてほしいと伸子に頼むのでしたた。

映画『母と暮せば』のメインキャスト

吉永小百合

  • 1945年3月13日生まれ
  • 東京都出身
  • O型

1960年代を代表する人気女優で日活に入社した翌年1961年には16本もの映画に出演した吉永小百合さん。純粋で庶民的なイメージが青春映画とマッチし、その類まれなる美しさは熱狂的なファンを生みました。また、戦争の体験を朗読で語り継ぐ活動を長年にわたり続けています。

二宮和也

  • 1983年6月17日生まれ
  • 東京都出身
  • A型

二宮和也さんは、ジャニーズのアイドルとしてのみならず俳優としても有名です。本作『母と暮せば』では、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞にも選ばれています。数々の映画やドラマで主演を務め、現在は主演ドラマの日曜劇場『マイファミリー』が放送中です。

『母と暮せば』レビュー(※ネタバレあり)

吉永小百合演じる伸子の衰弱していく様子がとても悲しく思えました。息子はおそらく伸子の空想の産物ではないでしょうか。浩二の、町子が自分を忘れて幸せになることを反対するシーンがありましたが、それは伸子の本音を伸子が作り出した息子が代弁しているようにとることもできます。大切なものを失った現実を受け入れることができず「なんであの子だけが幸せに・・・」と訴えるシーンはとても切なく、涙が出ました。伸子が町子に「幸せになってほしい」と思うのは本音、一方で「あの子だけなんで」と思ってしまうのも本音。それが人間というものなのでしょうが、伸子自身はそんなことを思ってはいけないとずっと葛藤していたように思えました。

第二次世界大戦が終戦し77年たった今でも、ロシア対ウクライナのように世界では戦争が起こっています。今日でも、戦争によって突然大切な人が奪われ、伸子のように苦しむ人がたくさん出ているということを考えると胸が痛くなりました。

最後に

今回は、『母と暮せば』の作品について、あらすじやレビューをご紹介いたしました。『母と暮せば』は、あらゆる世代の方が戦争を考えるきっかけとなる映画となっています。そしてたくさんの方が母の愛を痛感する映画となっていますよ。「愛」といえば『24時間テレビ「愛は地球を救う」』ですが、今年のメインパーソナリティーには二宮和也さんがリーダーを務める人気YouTubeチャンネル『ジャにのちゃんねる』が抜擢されています。こちらも楽しみにしたいところですね。