『ウルトラマンタイガ』第5話~第8話 ざっくり感想

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2話毎に書いていたこの感想だったが、気づけば一ヶ月放置してしまっていた。自分の中でウルトラマンシリーズは時間を設けてしっかりと鑑賞したいという思いがあるので、見逃し配信があるのをいいことにすっかり怠けてしまっていたのだ。というわけで、今回は第5話~第8話の感想である。

 

 

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第4話まででトライスクワッドは出そろったので、案の定ここからはE.G.I.S.のメンバーにスポットが当たっていった。第5話はピリカの、第6話は社長の物語で第7話と第8話は初の前後編で新フォームお披露目回。それぞれ友情もの、コメディチック、和風ホラーというようにジャンルが分かれていて、背後にトレギアがいるものの、このオムニバス感こそウルトラマンの醍醐味だよなあと思う。確か前作のルーブはこの辺りから愛染マコトとのバトルに持っていってそのまま1クールを終えてしまったが、タイガは一体どうなるのだろうか。

 

ここからは各話の感想を。第5話「きみの決める未来」は皐月彩脚本によるちょっとしんみりとした女同士の友情ドラマ。現代的な労働観と地球侵略に葛藤を抱える異星人のドラマがマッチした良作。職務中はいかにも無気力でサバサバしてそうなピリカがプライベートではしっかりと(?)タピオカミルクティーを楽しみ洋服に興味を持つようなキャラクターだったことは驚き。この辺りの描写は女性脚本家ならではかなあとも思う。話としては王道な労働ネタ(出勤時刻がギリギリなど)に、これまた王道の地球を侵略しようと居座るうちに段々と地球人に魅了されてしまう宇宙人という構図。オチは読めてしまうが、この2つの取り合わせ自体斬新なものであり、怪獣の召喚や魔力といったファンタジー的な要素が根底にあるのも面白い。新怪獣セグメゲルを下から仰ぐようなカットには唸らされた。ただ、霧崎にまでタピオカを飲ませたのはやりすぎかなと。余談だが『仮面ライダージオウ』でもラスボスのスウォルツが、中盤にソフトクリームの独特な食べ方を披露していた。

 

第6話「円盤が来ない」は紛れもない傑作。サブタイトルが「円盤が来た」のパロディになっているのでギャグテイストな回だと予想はできたが、そこからしっかりと感動させてくれる流れに脱帽した。世界から消えたい・宇宙へ行きたいと願う人の物語は無数にあるけれど、その男の正体が元々地球人ではなかったという意外な展開。地球に対していいイメージを持たず、星の世界に帰る日を待ち望んでいた男が、社長やウルトラマンの正義感に感化されて地球に残ることを選択する。こういうオジサン系の話に弱いので、まんまと感動させられてしまったのである。5話と6話ではトライスクワッドがそれぞれ平等に活躍していたので、ウルトラマン個人に特化した回を設けるというよりは、3人の個性や連携を大事にしていく構成なのだろうか。意外だったのは田口清隆監督が6話でタイタスのボディビルディングをしっかりと演出していたこと。田口監督はこういった演出は嫌いかなあと思っていたので、後光まで差してポージングをとらせる演出に思わず笑ってしまった。

 

第7話・第8話は初の前後編&タイガの新フォーム・フォトンアース登場回。最初から3人のウルトラマンを出す(トレギアも入れれば4人)こと自体かなりの冒険なのだからいっそのこと4人目のウルトラマンを登場させればいいのにとも思うが、さすがにそこまでの暴挙には出られなかったらしい。第7話はジャパニーズホラーテイストで怪しげな村を訪れるという回。Youtuberとホラーという組み合わせは実際に心霊系Youtuberも存在するし、5月に公開された『貞子』でも題材にされていたので珍しくはない。ただ、ゴスロリ姿で「廃墟で踊ってみた」を投稿するキャラクターというのは特撮ヒーロー番組ならではだろう。村人(実は生贄になった人々)のニッコリと笑いながらこちらを向く仕草が土曜朝9時には絶妙な怖さを発揮していた。続く第8話では藍の超能力にスポットが当てられ、彼女の「力を持つ者」としてのドラマが描かれる。ホラー好きとしては7話のテイストが続いてくれればとも思うし、前後編と言いながらカラーはかなり異なる2話になってしまったのは残念。

 

 

ウルトラマンタイガ DXウルトラマンタイガフォトンアースキーホルダー

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登場する怪獣ナイトファングは、ファングの名にそぐわず身体の各所にイソギンチャク的な触手が生えている不気味な怪獣。特殊な音波で人を眠らせてトラウマを見せることでエネルギーを吸うというトリッキーな能力を発揮する。6話までの展開で各キャラの過去が垣間見れたので、その総決算的な意味合いもあったのだろう。ピリカだけは音波を聞くことなくトラウマも見なかったが、これは単に彼女にこれといった過去がないだけなのか、それとも……。

そして新しく登場したウルトラマンタイガ・フォトンアース。鎧を元にしたような金色の意匠が「光の戦士」のパワーアップにうってつけだ。戦い方もひたすら殴るというパワー系の戦法。ウルトラマンの中間形態は雄々しさをウリにすることが多い気がする。今回は藍の力を借りて地球のパワーとタイガの光が共鳴し、パワーアップに至った。『ウルトラマンタイガ』はヒロユキとタイガ(トライスクワッド)のバディものとして強く推し出す作品だと思っていたが、意外にもこのパワーアップにヒロユキはあまり関わっていない。二か月後に来るであろう最終形態ではその辺りがピックアップされるのだろうか。

 

そう考えると、この5話~8話はヒロユキとタイガの物語が非常に薄味だった印象を受ける。もちろんE.G.I.S.の面々を活躍させることに時間を割いたのは分かるが、ポツンといるだけではただの優しい人という以外これといった特徴のないヒロユキが、個性豊かなメンバーに呑まれてしまわないかと心配にもなる。ただ、1話1話のクオリティは高いと思うし、連続性を捨ててオムニバスとしての精度を高めるのもアリだろう。次回9話は再びホマレにスポットが当たるようだ。

 

 

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S.H.フィギュアーツ ウルトラマンタイガ 約150mm PVC&ABS製 可動フィギュア

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